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今月のおいしいハーブ くらしに香りを!ハーブレシピ

【今月のおいしいハーブ】では、毎回1種類の「食べておいしいハーブ」をピックアップして、そのハーブの面白情報や育て方を解説。《10分レシピ》 では今月のハーブを使って簡単にできるおいしいレシピをご紹介します。《お楽しみ応用レシピ》ではクッキングだけでなく今月のハーブで作れる楽しいレシピをご紹介!毎月ひとつずつのおいしいハーブと親しくなれるページです。

しっくりねぎ味チャイブ

日本人にいちばんなじみやすい西洋のハーブは、きっとチャイブ。なぜならチャイブは、日本のあさつきとほとんど同じものだからです。だからもちろんお味は、ネギ味。でも、やわらかい優しいネギ味です。なじみやすいだけにかえって使い方が限られてしまいがちなチャイブを再活用しましょう!

今月のおいしいハーブ【チャイブ】

【英名】Chive(Chives)【別名】シブレット(仏)【学名】Allium schoenprasum / ユリ科・ネギ属 / 高さ:約30cm / 多年草 / 耐寒性

アサツキによく似たチャイブ。マイルドなネギの香りの葉は、和食に無理なく合い、アサツキの代わりに使えます。チャイブの風味を楽しむには生か生に近い状態で食べるように調理します。サラダやスープのトッピングに。炒め物や煮物の仕上げに。 葉は、細かく刻んでバターに練り込み、ハーブバターにも。ビタミンAや鉄分を多く含み、強壮作用もあるハーブです。

【おいしい10分レシピ】野菜と鯛のタジン蒸し/チャイブバター添え

今流行のタジンという鍋を使って、旬の野菜と鯛を蒸し焼きにしました。味の決めてはチャイブとレモン汁をたっぷりと練り込んだチャイブバター。蒸したての熱々をいただきましょう。

材料(2人分)

Herb&Spice
  • チャイブ ……… 約15g(1袋分)
  • にんにく ……… 1/2片

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。

食材
《チャイブバター》
  • バター(有塩) ……… 100g
  • 塩 ……… 小さじ1/4
  • レモン汁 ……… 大さじ1
  • こしょう ……… 少々
《タジン蒸し》
  • 鯛 ……… 200g(2切れ)
  • かぶ ……… 100g(中1個)
  • じゃがいも ……… 160g(中1個)
  • にんじん ……… 100g(中1/2本)
  • アスパラガス ……… 50g(細4本)
  • 白ワイン ……… 大さじ2
  • 塩・こしょう ……… 少々
  • オリーブオイル ……… 大さじ1

材料


作り方

材料の準備
  1. バターは室温に戻して、練り混ぜられる柔らかさにしておく。チャイブはトッピング用に5~6本とりおき、残りを細かい小口切りにする。にんにくは皮をむいて芯を取り除き、薄切りにする。
  2. 野菜はすべて洗った後、かぶは皮をむき縦に1/8等分する。じゃがいもは皮をむき1cmの輪切りに。にんじんは、かぶと同じぐらいの大きさの乱切りにする。アスパラガスは根元の皮の硬い皮をむき、1/3等分の長さに。これらの野菜に、軽く塩・こしょうを振って下味を付ける。
  3. 鯛の切り身の両面に塩・こしょうを振って下味を付ける。
手順
  1. 柔らかくしたバターに刻んだチャイブと塩・こしょうを混ぜ込み、最後にレモン汁も混ぜ入れる。ラップに包んで棒状にして、冷蔵庫で冷やしておく。
  2. 鍋にオリーブ油大さじ1をしき、にんにくの薄切りを入れて軽く色がつき香りが立つまで炒め、にんにくは取り出す。この鍋に鯛を入れて、両面に軽く焦げ目が付くように焼く。焼き上がったら取り出す。
  3. 2の鍋にじゃがいも、にんじん、かぶを入れ、最後に鯛をのせて白ワインを回しかけて、ふたをしてごく弱火で約15分間蒸し焼きにする。
  4. 3の鍋にアスパラガスを加え、弱火にして約5分蒸して出来上がり。にんにくのスライスをのせ、輪切りにしたチャイブバターものせてテーブルにだす。チャイブの葉も添えて。

レシピメモ

  • タジン鍋のふたの大きさや形状により火加減や調理時間の微調整が必要です。また、食材の水分によっても大きく異なります。慣れるまでは鍋の底に、水、酒、ワインなど、水分を少し入れておくと焦げ付かなくて安心です。ただし、穴の空いていないタイプは水分が多すぎると吹きこぼれてしまうことがあります。
  • チャイブバターに使うバターは、今回は有塩のものをつかいました。無塩バターを使う時は、加える塩を増やして。味見をして好みの味になるようにしましょう。残ったチャイブバターは、冷蔵庫で2~3日もちます。または、きっちりとラップでくるんで冷凍保存を。凍ったまま使う分だけカットして使えて便利。
  • チャイブバターは、魚や肉のソテー、薄切りフランスパンに塗ってトーストしてカナッペにするなどいろいろに楽しめます。
※タジン鍋うんちく

タジン鍋とはアフリカのモロッコで調理器具として使われてきた、かわいい三角蓋の土鍋の名称です。
タジンの鍋の部分はスープ皿ぐらいの深さ。その上に大きな三角のふたをかぶせて調理します。蒸し焼きにして、素材のうまみを逃がさずに凝縮できる画期的な鍋です。食卓にそのままのせられるかわいいデザインも魅力。

タジン鍋の作りは単純ですが、重いふたの中を蒸気や熱が逃げずに巡るのがおいしく調理できる秘密だそうです。簡単な圧力鍋のようなしくみですね。
また、とんがりふたの上まで上った蒸気が上で冷やされて鍋の食材に戻るので、水分の蒸発が少なく旨味をまんべんなく浸透させるのも特長です。食材そのものの水分で調理できるのが大きな特長です。蒸すと焼くのが同時にできるヘルシーで熱効力もいい鍋といえるでしょう。

《ちょっと注意》

日本製のタジン鍋のなかには蒸気を抜く穴がついているものが多く見られます。実は今回うっかり穴のついたものを買ってしまったので、鍋に穴の付いている場合のレシピになっています。穴のない本式のものを使う場合は、出上がりの水分が多くなり、調理時間も多少短くなると思われます。
穴がついていると火力調節が簡単で吹きこぼれにくいのはいい点ですが、水分が蒸発してしまうので底が焦げ付かないように水分を足す必要があります。
穴のない本場式のタジン鍋でしたら焦げ付きにくく水分が多くなる反面、ぴっちりとふたがされるため、火力が大きいと吹きこぼれてしまうことがあります。どちらの場合も火加減、水加減を調節しながら自分流の流儀を発見してくださいね。

チャイブをバターに混ぜ込む

レモン汁をバターに混ぜ込む

鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて炒める

鯛を両面焼く

材料を山盛りにのせる

タジンのふたをして蒸す


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【楽しい応用レシピ】チャイブビネガーのピンクカルパッチョ

きれいなピンク色に発色したチャイブビネガーを使った、旬の筍のカルパッチョ。春の香りと色どりに気持ちも華やぎます。オードブルやお酒、ワインのおともにぴったり!

材料(3〜4人分。写真は1人分を盛ったもの)

Herb&Spice
  • チャイブ ……… 約10本
  • チャイブビネガー大さじ1(作り方は下の情報その1を参照)
  • こしょう ……… 少々

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。

食材
  • ゆでタケノコ ……… 穂先を50g
  • 菜の花 ……… 約20g(4枝程度)花穂の先のつぼみの部分を使う
  • オリーブオイル ……… 大さじ1/2
  • 塩・こしょう ……… 少々

材料


作り方

材料の準備
  1. ゆでタケノコは 洗って水気を拭き取り、たて半分に切る。チャイブは小口切りにする。
  2. なべに湯を沸かし塩を加え、菜の花を30秒ほどゆがく。そのあと水にとって色止めをしてから小分けにする。
手順
  1. もち網を熱して、タケノコをこんがり焼き色が付くまで焼き、ごく薄くスライスする。皿に盛り付け、塩・こしょうを振りかける。
  2. 準備2で塩ゆでした菜の花をあしらい、チャイブの小口切りを散らす。
  3. オリーブオイル(適当量)を振りかけ、約同量のチャイブビネガーを振りかける。

レシピメモ

  • チャイブの花がある時は、バラバラにしてカルパッチョに振りかけるときれい。
  • カルパッチョのドレッシングは、あらかじめ混ぜてしまうとチャイブビネガーのきれいな色が損なわれるので、オイルと別々に振りかけるのがポイント!
  • 塩・こしょうは、少なめに。チャイブビネガーに旨味があるため、塩分は少なくてもおいしいので振りかけすぎないようにしましょう。

タケノコを直火で焼く

盛り付けたところに塩・こしょうする

チャイブを振りかけ、ビネガーとオイルをかける


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ハーブおもしろ情報

【情報その1】チャイブビネガー

本でとってもきれいな色のチャイブビネガーをみました。
どんなものですか?簡単に作れますか?

チャイブビネガーはチャイブをビネガーに漬け込んだだけの簡単なビネガーですが、自然にきれいなピンク色に染まり、料理に彩りを添えてくれます。作り方はとても簡単。

  1. チャイブを漬け込むガラス瓶を用意し、きれいに洗っておく。
  2. チャイブの花と葉を両方合わせてガラス瓶が軽く一杯になるぐらい用意し、水で洗って水気を良く拭き取る。花は丸ごと、葉は2〜3cmに刻む。
  3. 2の材料をガラス瓶に入れ、米酢またはリンゴ酢、ワイン酢などの醸造酢を瓶の口まで注ぎ、日の当たらない場所に置いてときどき揺すりながら1週間程したら出来上がり。

*出来上がったチャイブビネガーは、はじめ濃いピンク色でとてもきれいですが、だんだん茶色っぽい色になってしまいます。1週間から一ヶ月ぐらいのフレッシュな状態にあるうちに使ったほうが風味が新鮮です。

【情報その2】チャイブの花のクローズアップ

チャイブの花をお料理に使えると聞きましたが、丸ごと使うのでしょうか?
どのくらい開いたところで使うといいのでしょうか?

丸ごと使ってもかまいませんが、チャイブの花は葉と違って食感が少しもそもそとします。チャイブの花を切り取ってよく見てください。ミニチュアのネギ坊主のような紫桃色の花は、ひとつひとつの花が小さなユリの花のようでかわいいですね!花をそっとばらしてみると、簡単にバラバラになります。この状態でお料理のトッッピングなどに使うと、マイルドな風味と香りが楽しめます。可愛い花なのに、味はネギ味というのが面白いですよ。

※使う時期

すべてのユリのような花がきれいに開ききって丸くなった頃は、だいぶ食感がかさかさしていて一つ一つの花の付け根も固くなりかけています。そういうプチッとした食感が好きな場合はいいですが、柔らかい方が好きならば、写真のように開きかけたぐらいの花を使いましょう。チャイブビネガーにする場合は、開き切ったものも使えます。

【情報その3】お豆腐にトッピング

チャイブの花をお吸い物に入れたら、その瞬間に色がグレーに変わってしまって、がっかりでした。チャイブの花をきれいなピンク色のままつかう方法はありますか?

チャイブの花のピンク色(薄紫色も)は、アントシアン色素という熱に弱い色素です。なので温かい料理に使う場合は、出来上がった料理の上にトッピングするように使いましょう。また、酢やレモン汁など酸と会わせるとピンク色が発色して赤みを増します。ドレッシングを作る時にばらした花を加えると、発色してとてもきれいです!

*写真は「とっておきのハーブ生活」で以前ご紹介した一品です。お豆腐のソテーにチャイブの花と葉をトッピングして鮮やかな印象になっています。ネギ味のアクセントも効いています。

【情報その4】英語名とフランス語名

フランス料理を食べたら、「シブレット風味」と書かれたお料理にチャイブにそっくりなハーブが使われていました。同じものでしょうか?

チャイブはフランス語でシブレット(Ciboulette)といいます。日本にハーブを伝えた文化の一つがフランス料理なので、今でもシブレットの方が通りがいい場合もあります。ちなみに、英語でチャイブを表記するとき、(Chives)と複数形の「s」を付けて表記されることが多いようです。それは、チャイブがたくさんの鱗茎を作って束になって育つからです。ついでにイタリア語では、(Cipollina)と言うそうです。和名は、西洋アサツキまたはエゾネギと呼ばれます。

【情報その5】チャイブの保存法

プランターにチャイブがたくさん育っています。保存方法を教えてください。乾燥させられますか?

残念ながら乾燥保存には適しません。チャイブは生で食べるのが基本です。使いたいときに必要な分だけ、根元からカットして収穫しましょう。 収穫したものが余ってしまったら、湿らせたペーパータオルでそっと包んでビニール袋に入れて野菜室で保存。 または洗って水気をとってから小口切りにして、フリーザーバッグに入れて冷凍します。冷凍した場合、食感は変わってしまいますがスープや炒めものの風味付けに使えます。 花をドライフラワー用に乾燥させることはできます。

【情報その6】チャイブの株分け

チャイブを鉢植えにしています。だいぶ株が大きくなってきましたが、植え替えはどのようにしたらいいでしょうか?株分けはできますか?いつ頃がいいですか?

はい!株分けはできます。株が大きくなったらぜひ株分けをしてください。そのまま育てているとだんだん鱗茎が育ちにくくなってしまいます。 株分けは、春か秋に(下の《育て方》を参照)。鉢から土ごと取り出すと、小さな鱗茎がたくさんできていると思います。手でそっと5、6本ずつに分け、新しく土と肥料を入れた鉢に植え付けてください。手で土を押さえてなじませ、水をたっぷりとやったら完了です。 しっかり根付くまで(1週間ほど)は極端な寒さや暑さを避けた方がいいので、軒下の半日陰のようなところに置くといいと思います。

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種まき/苗の植え付け

春または秋に苗を植え付けるのが簡単ですが、種から育てるのもたやすくできます。種をまくといっせいに発芽してくるので、間引きながら育てましょう。間引いた芽を芽ネギのように利用できます。

用土

用土にはバーミキュライト、腐葉土などを混ぜ込み、肥沃で水はけがいいように。水はけが悪いと鱗茎が腐ってしまうことがあります。

日当たりと肥料

日当たりのいい場所で栽培します。有機配合肥料を元肥として土に混ぜ込み、2~3週間に一度ごく薄く薄めた液肥を与えるといいでしょう。

水やり

水やりは成長期には2〜3日に一度、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりとやります。ただし、水をやりすぎると球根が腐ってしまいやすいので、必ず土の表面が乾いてから与えましょう。
庭植えの場合は、通常庭全体に一日一回の水やりですが、土の水はけをよくしておけば腐ってしまう心配はありません。

増やし方

増やすには、春か秋に株分けで(3月〜4月上旬/9月中旬から10月中旬頃)に株を掘りあげ、球根を株分けして植え付けます。

収穫

葉の収穫は、葉を根元よりカットしますが、花を見たい場合は、葉を間引くように切り取って使いましょう。 花は開いて間もないフレッシュなものを使います。日にちが経った花は、カサカサになってしまうからです。 また花が咲いた後の葉は硬くなってしまい食味が落ちるので、柔らかいうちに味わい、花の咲いた後は根元から切り戻しておくと、また新芽が出てきます。

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【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【制作協力】吉田雅紀子、吉川和美