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今月のおいしいハーブ くらしに香りを!ハーブレシピ

2009年から新しくスタートする【今月のおいしいハーブ】では、毎回「食べておいしいハーブ」1種類をピックアップして簡単なレシピから面白情報や育て方までを紹介します。10分でできる簡単でおいしいレシピは思わずハーブクッキングに挑戦したくなります。ちょっと背伸びした《お楽しみ応用レシピ》にもチャレンジして下さいね。育てて、摘んで、作って、ハーブを丸ごと楽しんでしまいましょう!

高貴な香りの庶民派 ローズマリー

針葉樹のようなすっきりとした姿に、陶酔させるような神々しい香りのローズマリー。白や薄い青など可憐な花を咲かせ、最近はあちらこちらの庭で見かけることが多くなりました。どこか高貴な印象のハーブですが、育てやすく利用法も豊富な庶民的なところがまた魅力です。

今月のおいしいハーブ【ローズマリー】

Rosmarinus officinalis (マンネンロウ)シソ科・常緑小低木 / 半耐寒性 / 樹高30cm〜1.5m / 花期・不定期(秋〜春が多い)

古くから薬用ハーブとして利用されてきたローズマリー。その清潔感のある香りが好まれるとともに、記憶をとどめるハーブ、魔除けのハーブとして祭祀や儀式にも使われてきました。
ローズマリーには、立性、匍匐(ほふく)性、半匍匐(ほふく)性があります。花色は濃いブルー、淡いブルー、ピンク、白などがあり、植える環境や庭のデザイン、利用目的を考えて苗の種類を選ぶといいでしょう。葉の香りも多少異なるので、料理に使う場合は葉の香りをかいでマイルドなものをセレクトしましょう。
葉の独特の香りが豚肉、牛肉やラム肉などの肉料理やイワシやサバなどの魚料理に合います。トマト、ニンニクとも相性が良く、イタリア料理に欠かせません。 ティーには強壮、循環促進、神経の調和作用があると言われていますが、作用が強いので飲用するなら適量を短期間で。
葉には殺菌・抗酸化作用があり、濃い浸出液をシャンプー後のリンスに使うと、ふけを防ぎ髪の毛を健康でつややかにするのに役立ちます。リンゴ酢につけたローズマリービネガーは、ドレッシングなどに最適です。薄めてヘアーリンスにしたり、お風呂に入れても効果的。

【おいしい10分レシピ】えびとポテトのホットサラダ

ローズマリーの香りを奥ゆかしく使った、えびとじゃがいものサラダです。材料をゆでるときにローズマリーの小枝を入れて香りを移します。一つのお鍋で作れるので簡単!

材料

材料(2〜3人分)

Herb&Spice
  • ローズマリー ……… 小枝を3枝
  • マスタードグリーン ……… 2枚

*クレソン、ルッコラ、サラダ菜など、他のグリーン野菜でもOK

スパイスS&Bでも取り扱っています。

食材
  • えび ……… 100g
  • じゃがいも ……… 350g(大2個)
  • 玉ねぎ ……… 150g(中1個)
  • にんじん ……… 150g(中1/2本)
  • 塩 ……… 小さじ1(えびをもむ塩)、小さじ1(野菜を塩ゆでする塩)
  • 塩・こしょう ……… 少々
《ドレッシング用》
  • 白ワインビネガー ……… 大さじ1と1/2(米酢・りんご酢などもOK)
  • 塩・こしょう ……… 少々
  • オリーブオイル ……… 大さじ1

じゃがいもをローズマリーでゆでる

えびを色づくまでゆでる

ドレッシングを加えて軽く混ぜ味を整える

作り方

材料の準備
  1. じゃがいもは皮をむいて2cm×3cm程度の乱切りにし、水にさらす。にんじんは約1cmの厚さのいちょう切りにする。玉ねぎは半分に切って薄切りにする。
  2. えびはからをむいて尾を取り、つまようじで背わたをとりのぞく。身を塩小さじ1で軽くもんで洗い流す。
手順
  1. ドレッシングを作る。ワインビネガーに塩・こしょうを加えてよく溶かし、オリーブオイルを加えてさらによく混ぜる。
  2. 鍋にじゃがいもとにんじんを入れ、ひたひたになる程度の水、塩小さじ1、ローズマリーの枝を加えて火にかけ、最初強火にして煮立ったら火を中火に。材料が柔らかくなるまで約15分ゆでる。
  3. 2の鍋に玉ねぎとえびを加えて3~5分、えびに火が通るまで一緒にゆでる。
  4. 3の鍋の中身をざるにあげて水気を切り、ボウルに入れる。1のドレッシングをもう一度よく混ぜてからボウルに加えて軽く混ぜ合わせる。
  5. 味見をし、塩・こしょうをふって味を整え、マスタードグリーンをあしらった器に盛る。

レシピメモ

  • 同じ鍋を使い、時間差でゆでるのがポイント。
  • えびに塩をふってもんでおくことで、えびの臭みが抜ける。
  • 温かいままで食べるホットサラダですが、冷蔵庫で冷やしても味がなじんでおいしい!
  • ローズマリーの他、タイム・オレガノ・マジョラムなども下ゆでの香りづけに効果的に使えます。

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【楽しいアイディアレシピ】ローズマリーの記憶増強サシェ

昔から「記憶を留めるハーブ」とされてきたローズマリーですが、現代の研究でもその香りに「記憶力を高める」作用があることがわかってきました。これでめでたく、名実ともに「記憶」のハーブになったわけですね。

何といってもすっきりとして華やかなローズマリーの生葉の香りが一番ですが、乾燥ハーブにも穏やかな芳香があります。乾燥させて売っているローズマリーは香りが薄いこともあるので、育てている方はぜひ自分で乾燥させたローズマリーを使って作ってみましょう。
ハンカチに包むだけの簡単サシェなので、すぐに作れて汚れたら洗えるから便利です。
携帯して、いつでもどこでもローズマリーの香りに浸りましょう!

ローズマリーの葉を枝からはずす

ハンカチで巻く

出来上がり

材料(1個分)

Herb&Spice
  • 乾燥ローズマリー ……… 約1/2カップ

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。

材料
  • 綿のハンカチ ……… 1枚

作り方

  1. 枝ごと乾燥させたローズマリーの葉を、枝からはずす。
  2. ハンカチにのせ、巻くようにして包み込む。
  3. 両端をしっかりとくくる。

レシピメモ

  • ハンカチの生地が薄すぎると、中からとがった枝が突き出してしまうことがありますので注意。
  • いろいろな柄の生地で作ってプレゼント。受験シーズンにぴったりのギフトになるのでは。

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ハーブおもしろ情報

【情報その1】立性とほふく性

ローズマリーにはいろいろな種類があります。大きく分けて、垂れ下がる「ほふく性」のものと直立の「立性」(木立性)のもの、それらの中間の「半ほふく性」の3種類に分かれます。花色も、白〜淡いピンク〜淡いブルー〜濃いブルーとわずかな違いながらいろいろあります。
立性のものは伸びてきたら刈り込んだり、トピアリー状にしたりできます。ほふく性のものは花壇の高い場所から垂れるように、またはロックガーデンなどの乾燥した場所のグランドカバーやつり鉢に用います。
枝の長さや香りもそれぞれ微妙に異なるので、料理・クラフトなどに、用途に応じてセレクトし育てて使いましょう。

○ほふく性の代表種
○立性〜半ほふく性の代表種

【情報その2】名前の由来

ローズマリーの学名(ラテン語名)Rosmarinusには、「海のしずく」という意味があります。「露」を意味するラテン語のrosと「海」を意味するmarinusが合成してできたのです。確かにローズマリーの青い花を見ていると深い海の色のよう。地中海沿岸地方では、海辺の崖などにローズマリーが自生しているということ。やせた石灰質の土で元気に育ち、乾燥気味の気候で、太陽をいっぱい浴びているのが好きなハーブです。日本で育てる場合もあまり甘やかさずに、ふるさとの気候風土に合わせて育てるといいでしょう。

キリスト教には、ローズマリーについてこんな話が伝わっています。聖母マリアが幼いイエスを連れてエジプトへ逃れる最中、緑の葉と白い花で生い茂るローズマリーの中に身を隠し、その上に自分の青いマントを広げると、白い花が青に変わって隠れている姿が見えなくなり追っ手からの難を逃れたといいます。それ以来ローズマリーは青い花をつけるようになったというのです(ローズマリーには、白花・ピンク色花・うす青色花などもあります)。
英名の”ローズマリー”は、ラテン語名のRosmurinus がそのように聞こえることから付けられたとか。また紹介したような説話からマリアのバラ(Rose of Mary)に由来しているとも言われています。本来の語源は冒頭で紹介したように、ラテン語の「海のしずく」ですが、こうして聖母マリアの伝説ともつながることで、ローズマリーの神聖なイメージが一層強められているのかもしれません。

【情報その3】ハンガリーウオーター(ハンガリアンウオーター)

ハンガリーウオーターは「ハンガリー王妃の水」「若返りの水」とも呼ばれる香水の元祖のようなもの。最初に作られたのはいつか定かではありませんが、修道士か錬金術師が作ったのではないかと言われています。ローズマリー、ラベンダー、セージ、ミント、ライム、レモン、ネロリなどのハーブをアルコールに漬けて作られました。すばらしい香りと薬効で当時のヨーロッパで人気だったそう。
このハンガリーウオーターには言い伝えがあります。中世ヨーロッパのハンガリー王妃エリザベートが70歳を超える高齢になってから、手足が痛む病気に悩まされていました。その王妃に痛み止めの薬として献上されたのが、 “ローズマリー”を主体としたハンガリーウオーターでした。
その薬を使った王妃は健康と若さを取り戻し、なんと隣国のポーランドの王子に求婚されたということ。
ハンガリーウオーターはその後、18世紀にオーデコロンが登場するまでヨーロッパの人々に圧倒的な人気だったそうです。
今でもハンガリーウオーターと銘打った化粧水が市販されています。自分で作ってみるのも楽しそうですね。

【情報その4】ローズマリーのキッチンリース

ローズマリーは、キッチンに常備しておくと、煮込みや炒めものに使うなど隠し味的に役立つハーブ。それならば、生のままくるりと丸めてリースにしてキッチンに飾っておき、そのまま乾燥させる「キッチンリース」にしておけばインテリアと実用の一石二鳥。
飾ったローズマリーのリースから葉をはずしてスープにちょっと加えるだけで、ぐっと味が引き立ちます。変わったところでは、背の青い魚を煮魚にするときに煮汁に加えるとか、みそ汁のかくし味など和風にも!

【情報その5】ローズマリーのキャンドルリース

ホリデーシーズンにぜひ作りたいローズマリーのキャンドルリース。
リースというよりはローズマリーのリースで囲んだキャンドルアレンジメントです。クリスマスの神聖なイメージにぴったりのローズマリーを輪にすることで、「永遠」の祈りを込めて。
お皿の中の石にローズマリーの精油をたらして、香りをプラスしましょう。キャンドルの熱で温められて、お部屋をいい香りに演出してくれます。

※詳しい作り方はこちらをご覧ください。→ ハーブが香るキャンドルアレンジメント

<ローズマリー、その他の利用法>
◎クッキングに
◎インテリアに

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育ててみましょう!!

地中海沿岸地方原産のハーブながら、高温多湿の日本の夏にも耐え、寒さにもそれほど弱くない育てやすいハーブです。病害虫による被害がほとんどないのも大きな魅力!

苗の植え付け

苗を植えるのが一番簡単。定植は5月に入って遅霜の心配がなくなってから植えましょう。乾燥にも強く育てやすいハーブですが、夏の暑さと湿気に弱いので、風通しのいい特に水はけのいい場所に植えるように。

肥料

苗の定植時に有機配合肥料などの元肥を土に埋め込みます。花の咲いた後に追肥をやりましょう。

水やり

鉢植えの水やりは、土がすっかり乾いてから十分に。土に赤玉土やパーライトを混ぜて水はけをよくすると丈夫に育ちます。土の上に直接鉢を置く場合、鉢の中にアリが巣を作り、急に枯れてしまうことがあるので注意。

夏越し

梅雨や秋の長雨の前に混み合った枝を剪定して、風通しを良くしましょう

冬越し

暖かい地域ならば露地で冬越しできます。それ以外の地域は、庭植の場合は株元に腐葉土や敷きわらなどで防寒のマルチをすると安心。寒さの厳しいところでは、鉢を日当たりのよい軒下に移動しましょう。
ベランダで育てる場合、コンクリートやタイルの上に直接鉢を置かずに、木のすのこや段ボール、レンガなどを鉢の下に置いて、寒さで根が傷むのを防ぐ工夫も有効です。
雪が降っても大丈夫ですが、雪の重みで枝が折れることがあります。

植え替え

1〜2年に一回程度、根詰まりする前に植え替えをしましょう。木が大きくなってからの植え替えは、枯らす可能性が高くなるので注意。

収穫・保存

葉を使う場合は、枝ごと切りとって、茎から葉を外して使う。柔らかい枝先はそのまま使う。乾燥させる場合は、茎ごと乾燥させてから葉を外すと簡単。

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【文・スタイリング・制作】榊田千佳子【撮影】タケダトオル、榊田千佳子【制作協力】吉田雅紀子、吉川和美