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今月のおいしいハーブ くらしに香りを!ハーブレシピ

2009年から新しくスタートする【今月のおいしいハーブ】では、毎回「食べておいしいハーブ」1種類をピックアップして簡単なレシピから面白情報や育て方までを紹介します。10分でできる簡単でおいしいレシピは思わずハーブクッキングに挑戦したくなります。ちょっと背伸びした《お楽しみ応用レシピ》にもチャレンジして下さいね。育てて、摘んで、作って、ハーブを丸ごと楽しんでしまいましょう!

崇高で便利なハーブ、ローレル

料理用ハーブの中でこしょう除くと、世界中で一番使われているハーブの一つがローレルではないでしょうか?控えめな香りながら、料理の味に深みを加える万能ハーブです。樹の姿は美しく、葉はつやつや、香りは高貴。思わず頭を下げたくなるようなハーブ、ローレルをもっと知って、もっと利用しましょう!

今月のおいしいハーブ【ローレル】

学名:Laurus nobilis / 和名:ゲッケイジュ / 別名:ベイリーフ、ローリエ・分類:クスノキ科・ゲッケイジュ属 / 高さ:樹高約10m / 常緑小高木 / 開花期:4月〜5月 / 性質:半耐寒性

ヨーロッパで古くから親しまれて来たローレル。古代ギリシア・ローマ時代には聖なるハーブとして宗教儀式で用いられ、英雄や勝者にローレルで作った冠(月桂冠)を与える習慣も知られています。紀元前8世紀に始まった古代オリンピックで、優勝者の栄光を讃えて月桂樹の葉で作られた冠をかぶせたことから、現在もスポーツの祭典で月桂冠が用いられています(オリーブの葉で作った冠を載せることもあります)。
ギリシア神話でローレルは、河の神の娘ダフネが太陽神アポロンの求愛を拒んで姿を変えたものとされています。また天災や邪悪なものから身を守る魔除けの樹ともされてきました。
葉がお料理用のハーブとして世界中の料理に使われ、愛されているハーブです。ピリッとしたノーブルな香りが肉料理の臭みを消して保存性を高め、スープなどに風味を加えます。生の葉は革のような感触で、香りは乾燥葉よりマイルドで甘みがあり、かすかに苦みがあります。
また常緑樹で庭木としても育てやすく、初夏に咲くクリーム色の花にはスパイシーな芳香があり、鮮やかな濃緑の葉に映えてきれいです。

【おいしい10分レシピ】鶏レバーのケチャップ煮込みローレル風味

ビタミン類を多く含み、鉄分も豊富なレバー。中でも鶏レバーは柔らかくて食感もいいのでよく使われるようです。でも、ひとつだけ気になるのはその匂い。和風の煮物ではこの臭みを消すのに、しょうがやねぎを一緒に煮込みます。これも香辛料を使った知恵と言えるでしょう。
定番の和風煮物もおいしいですが、たまには洋風のケチャップ煮込みはいかがでしょう。ローレルを入れた湯で下ゆでしたら匂いは消え、おいしさが増したようです。

材料

材料(3〜4人分)

Herb&Spice
  • ローレル ……… 乾燥葉を3枚
  • こしょう ……… 少々

スパイスS&Bでも取り扱っています。

食材
  • 鶏レバー ……… 250g
  • にんにく ……… 1片
  • オリーブオイル ……… 大さじ2
  • 玉ねぎ ……… 250g(中1個)
  • 塩 ……… 少々
《煮込み用合わせソース》
  • ケチャップ ……… 大さじ4
  • 酢 ……… 大さじ2(りんご酢、ワイン酢、米酢など醸造酢ならなんでも)
  • ウスターソース ……… 大さじ3

ローレルを入れレバーをゆがく

ローレルとにんにくを炒めて香りを出す

材料を炒めたフライパンに合わせソースを入れる

作り方

材料の準備
  1. レバーは水洗いして汚れを落とし、小鍋に湯を沸かして(レバーがたっぷり浸るくらいの量)、ちぎったローレル1枚を加えて約5分間ゆでる(ゆがく)。ゆであがったレバーは冷まし、3cm程度の大きさに切る。
  2. にんにくは皮をむき半分に切って芽が入っていたら取り除き、薄切りにする。玉ねぎは皮をむき、半分に切って薄切りにする。
手順
  1. フライパンにオリーブオイルを入れて、ちぎったローレル2枚と薄切りにしたにんにくを入れ、弱火で香りが出てくるまで熱する。
  2. 1に準備1のレバーを入れて、塩、こしょうを振って炒め、炒めあがったらすべてを皿に取りだす。
  3. 空になった2のフライパンに準備2の玉ねぎを入れ、少量の塩をふりかけて、中火〜弱火でしんなりするまで炒める。
  4. 3に2で皿にとったレバーを戻し入れ(一緒に炒めたローレル、にんにくは取り除く)、煮込み用合わせソースの材料と水約100cc(水の量は加減する)を加え、アルミフォイルで落としぶたをし、ときどきかき混ぜながら約10分間煮て味をなじませる。

レシピメモ

  • 翌日までそのまま置くと、味がしみこんでまた違ったおいしさ!
  • ローレルは煮込み過ぎると苦みが出ることがあるので、風味が出たら取り除くといいでしょう。
  • 生葉には軽い苦みがあり、乾燥葉の方により甘みがあると言われます。生葉のフレッシュな香りも魅力的です。ローレルを育てている方はお試しを。好みで使い分けましょう。
  • ローレルは万能の料理用ハーブ。ローレル一枚入れるだけで肉や魚の匂いをやわらげ、風味をプラスします。鶏レバー以外にも、ミートソース、ピクルスなど何にでも合うのがローレルのいいところ。
  • ローレルの葉はブーケガルニに欠かせません。セロリ、パセリなどのハーブと一緒に束にくくり、シチューやスープに入れて煮込むと香り高い料理になります。

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【楽しいアイディアレシピ】さんまのローレルフレーバー

オーブンで肉や魚野菜を焼く時に、天板やベーキング皿にローレルを敷いて材料を置くと、焦げ付きを防ぎ香りを移せて一石二鳥です。そこで思いついたのは、魚焼き用のグリルの受け皿にローレルをしいて焼く応用アイディア。さんまの塩焼きで試してみたら、ローレルのスモークフレーバーが付いて意外なおいしさ!!大発見の気分です。

お皿にのせるときも、ローレルの生葉の上にのせてみましょう。臭みが消えてすばらしい香りが漂い、イタリアンなさんまに変身します。受け皿のお掃除も簡単になり、ほんとうに便利!

材料

材料(2人分)

Herb&Spice
  • ローレルの生の枝葉 ……… グリルの受け皿が軽くおおわれる程度の量
材料
  • さんま ……… 2匹
  • 塩 ……… 適当量

ローレルをしく

さんまをのせる

焼き上がったさんま

作り方

  1. さんまは洗ってペーパータオルで水気を拭き取り、両面に適量の塩をふる。自然塩がおすすめ。
  2. グリルの受け皿にローレルの枝葉をしき(葉だけもOK)、いつもの焼き方でさんまを焼く。
  3. 皿にローレルの生葉をしき、焼き上がったさんまをのせる。

レシピメモ

  • ローレルの生葉の代わりに、ローズマリーの生葉も試してみてください。焼く時は、受け皿に少し水を張りましょう。
  • さんま以外の魚や、肉も試してみましょう。
  • 火には十分注意を。乾燥葉を水に浸してから使う場合は、特に注意を。

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ハーブおもしろ情報

【情報その1】ミルクの香り付けに

【情報その2】米びつなどの虫除けに

【情報その3】ヨーロッパ産とアメリカ産

乾燥葉がスパイスの一種として世界中で利用されているローレルですが、ギリシャ、トルコ、フランス、イタリア、スペイン、アメリカなど世界各地で栽培され、生産されています。ですので呼び名もいろいろ。ローリエ(フランス名)、ベイ、ベイリーフ、ベイリーブス(英名)、月桂樹(の葉)とも呼ばれます。因みにローレルはスペイン名です。商業上では地中海産を「ローレル(ローリエ)」、アメリカ産を「ベイリーブス」と呼んで区別しているようです。
地中海産のローレルは、丸みを帯びた葉型ですがすがしくも柔らかい芳香と若干の苦味があります(画像左)。一方、アメリカ産のベイリーブスは細長い形で香り成分も幾分異なります。すがすがしさが強く、多少苦味がきいています(画像右)。

<その他の利用法>
○ハーブティーに

ローレルのみでハーブティーにすることはありませんが、他のハーブとブレンドするとスパイシーなフレーバーを楽しめます。ローレル半分程度を軽く砕いて他のハーブに加えます。

○ビューティーに

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育ててみましょう!!

ローレルは一度根付いてしまえば、なかなか枯れない生命力の強い樹です。冬でも緑の葉は庭や玄関のアクセントにもなり、いろいろに利用もできるのが魅力です。

種まき、苗の植え付け

苗を植えるのが一般的です。水はけがよく、日当たりのよい温かい場所に植え付けます。やや乾燥気味のほうが健康に育ちます。 土は肥沃な土を好むので、庭土には堆肥や腐葉土をすき込みましょう。鉢植えは、水はけが良くなるように赤玉土と腐葉土を多めに。

剪定

初期の生長はゆるやかなので、木が小さいうちは枝葉の収穫を控えめにしましょう。枝は横張が少なく上に高く伸びる性質があるので、ある程度の高さになったら上部の枝を切って止めた方が、横枝が育ちやすくなります。

病害虫

カイガラ虫が付きやすいのが難点。木が小さいうちは歯ブラシなどでこそげ取るように。カイガラ虫が発生すると、すす病にかかりやすくなります。予防としては風通しがよく、日当たり・水はけのいい場所に植えること。秋、または春の芽出し前に剪定して通風と採光を心がけましょう。

収穫・保存

《収穫》

生葉は、随時取って使います。まとめて乾燥させる場合は、なるべく成長期に。すぐに新芽が芽吹いてきます。また成長期の葉のほうが、精油分が多く、香りが格段にいいようです。 生葉、乾燥葉とも、葉だけをとらずに、枝ごと剪定を兼ねて切り取りましょう。

《保存》

まとめて乾燥させる場合は、剪定を兼ねてバランスよく枝ごと収穫し、枝から葉を外して水洗いをした後に乾燥させます。また利用を兼ねたリースを作る場合は、枝ごと収穫し葉をつけたまま洗ってからリースに形作ります。

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【文・スタイリング・制作】榊田千佳子【撮影】タケダトオル、榊田千佳子【制作協力】吉田雅紀子、吉川和美