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今月のおいしいハーブ くらしに香りを!ハーブレシピ

2009年から新しくスタートする【今月のおいしいハーブ】では、毎回「食べておいしいハーブ」1種類をピックアップして簡単なレシピから面白情報や育て方までを紹介します。10分でできる簡単でおいしいレシピは思わずハーブクッキングに挑戦したくなります。ちょっと背伸びした《お楽しみ応用レシピ》にもチャレンジして下さいね。育てて、摘んで、作って、ハーブを丸ごと楽しんでしまいましょう!

一枝でフレンチな味わい・・・タイム

ごく普通のソテーや蒸しものなどの料理を、たった一枝で 「フレンチ」な味わいに魔法のように変えてしまうハーブはタイム。すっきりとした香りには抗菌作用も含まれるので、食べ物が腐りやすくなるこの季節には特にぴったり。

今月のおいしいハーブ【タイム】

コモンタイム Common thyme / 学名:Thymus vulgaris / 分類:シソ科 ・イブキジャコウソウ属 / 高さ:15〜40センチメートル・常緑小低木 / 開花期:5月〜7月 / 性質:耐寒性

タイムは古代から使われてきたハーブ。エジプト人は香油として用い、ギリシア人はお風呂に入れ、また寺院のお香に用いました。中世では、その芳香と殺菌作用から空気を清浄にするために重宝され、悪臭や疫病から身を守るとして、ノーズゲイと呼ばれる花束に加えて携帯されたりもしました。またタイムの高貴な香りは、「勇気の象徴」とされてきました。
すばらしい香りにぴりっとした風味のタイムは、料理にも定番のハーブ。特にフランス料理には欠かせません。葉はチモールなどの殺菌・防腐作用のある成分を含み、料理の香り付けに使うと保存性も高めます。
レモンタイム、シルバータイム、クリーピングタイムなど他のタイムにも薬効があり、料理の香りづけにも使えます。レモンタイムはレモンの香りでマイルドな風味。小枝を生のままハーブティーにすると、すっきりとした味でおいしい。

【おいしい10分レシピ】鯛のソテータイム風味

タイムの風味は魚にも肉にもよく合います。ただしタイムの葉は焦げやすいので、肉や魚にまぶして焼くと香りが移る前に焦げてしまいがち。かといって、生のタイムを散らすだけでは、味に深みがでません。
そこで・・・、タイムに限らずハーブの香りを食材に移すとっておきの方法で、鯛のソテーを作りましょう!

材料

材料(2人分)

Herb&Spice
  • タイム ……… 20g(小枝を10〜15枝ほど)
  • にんにく ……… 1片
  • パプリカ(パウダー) ……… 小さじ1/2

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。

食材
  • 鯛切り身 ……… 2切れ
  • れんこん ……… 約100g(約5cm)
  • オリーブオイル ……… 大さじ1をれんこんソテー用。大さじ2を鯛のソテー用。小さじ2(各皿に小さじ1ずつ)をソース用に
  • 白ワイン ……… 大さじ4
  • レモン汁 ……… 鯛の焼き上がり用にレモン半個分。レモン汁大さじ2(各皿に大さじ1ずつ)をソース用に
  • レモン薄切り ……… 5mmの薄切りを6〜8枚
    以上、レモンは計1個半使用。
  • 塩 ……… 約小さじ1/2を鯛に、少々をれんこんに
  • こしょう ……… 少々
  • 小麦粉 ……… 大さじ4
  • 米酢などの食用酢 ……… 適当量

オリーブオイルににんにく、タイムの香りを移す

鯛を焼く

皿にパプリカ、レモン汁、オリーブオイルをしく

作り方

材料の準備
  1. 鯛の切り身はさっと水で洗ってペーパータオルで水気を拭き取り、塩約小さじ1/2とこしょうを両面にまんべんなくふりかけてなじませる。
  2. れんこんは皮をむいて5mm程度の厚さの薄切りにして、酢を加えた水につけてアク止めする。その後、ペーパータオルで水気を拭き取る。
  3. にんにくは皮をむいて、芯があったら取り除き、薄切りにする。タイムは洗って水気を拭き取っておく。
手順
  1. ペーパータオルで水気を拭き取った鯛は、両面に小麦粉をまぶして、余分な小麦粉をはたき落とす。
  2. 軽く熱したフライパンにオリーブオイル大さじ1をしき、れんこんを並べ入れ、中火~弱火で両面をこんがりと焼く。途中で塩少々をふりかけ、焼き上がったら皿にとる。
  3. 2のフライパンの汚れをさっと落とし、大さじ2のオリーブオイルを入れてフライパンを傾けオイルを角に寄せ、オイルが冷たいうちに薄切りにんにくを入れる。にんにくからいい香りが立ちのぼってほんのりきつね色になったらタイムを入れ、菜箸でオイルに浸かるようにしながら、オイルにタイムの香りを移す。タイムがカラッと空揚げ状態になったらにんにくと一緒に引き上げ、ペーパータオルの上にのせておく。
  4. 3のフライパンに1の鯛を入れ、蓋をして中火で片面にこんがりと焼き色が付くまで焼き、裏返して同じように焼き、最後に半個分のレモン汁をしぼりかけ、すぐに蓋をして中心まで火が通るように蒸し焼きにする。
  5. 鯛を焼いている間に皿の上にソースを用意する。皿にパプリカ少々をふりかけ、その上からレモン汁大さじ1をふりかけ、さらにオリーブオイル小さじ1をふりかけ、その上にソテーしておいたれんこんをバランス良く並べる。これを2皿用意する。 この上に焼き上がった鯛を置き、オイルに香りを移しからりと揚がったにんにくとタイムをのせ、レモンの薄切りをあしらえばできあがり。

レシピメモ

  • 手順3の、オイルにハーブとにんにくの香りを移す方法がポイント。他のハーブでも応用できます。ローズマリー、セージ、オレガノ、マジョラムなどは最適。柔らかいハーブでも、パセリ、バジルなどもこのやり方でうまくいきます。にんにくは芯を取り除いてスライスし、オリーブオイルが冷たいうちに入れるのがコツです。
    一方、チャービル、チャイブ、ディルなどは高温のオイルで香りが失われがちなので、調理の仕上げに生で使った方が効果的です。
  • 手順5の、皿の上にしくソースは無くてもおいしいので省略可能です。
  • れんこんの代わりにトマトもおいしい。1cmぐらいにスライスしたトマトをオリーブオイルで両面ソテーし、塩・こしょうで味付けしたものを皿に置き、鯛のソテーをのせます。フレッシュなトマトソースのような味わいになってイタリアンな仕上がりです。

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【楽しいアイディアレシピ】タイムのはちみつ

そもそもはちみつ自体に抗菌作用があり喉を潤す力がありますが、そこに殺菌作用とせきを鎮める力があるとされるタイムを漬け込めば、一石二鳥、鬼に金棒です。味もおいしいので、そのままなめてもいいし、風邪予防にいいと再評価される紅茶に入れて毎日飲んでもいいでしょう。

材料(1人分)

Herb&Spice
  • タイム ……… 容器に軽く一杯分
  • はちみつ ……… ガラス容器に一杯分

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。

タイムの水気をとる

入れているところ

ハチミツを注ぐところ

作り方

  1. ジャムの空き瓶などのガラス容器はよく洗い、熱湯消毒した後、水気をよく乾かしておく。
  2. タイムの枝は洗って、水気をよくふきとる。
    *枝が木質化している場合は・・・洗って水気を拭き取ったあと、葉をしごきとるようにはずし葉だけを使う。
  3. ガラス瓶に2のタイムを入れ、はちみつを、タイムがすっかり浸かるように注ぐ。

レシピメモ

  • 保存は常温でも、冷蔵庫でもいい。
  • のどの痛いとき、いがらっぽいとき、口内炎のときに、はちみつを口に含んでゆっくりとなめる。
  • 紅茶に入れて風邪防止に。

【※注意】タイムのティーや、多量のタイムはちみつは、妊娠中には避けましょう。


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ハーブおもしろ情報

【情報その1】乾燥しても香りOK

乾燥してしまうと香りが失われてしまうハーブも多い中で、素晴らしい香りをキープできるタイムは貴重です。

収穫の時期と時間帯

「花が咲き始めた時期」がハーブの地上部の薬効が最大になるときです。そして収穫の時間帯は「晴れた日の午前中」。

乾燥方法

根際5cmほどのところから切り取ったらサッと洗って水気をふき取り、小束に分けて風通しのいい室内に吊して乾燥させるか、通気性のよいざるや紙箱の上に並べて乾燥させましょう。

保存方法

湿気を通さない缶やファスナー袋にいれ、涼しい場所で保存。できれば冷蔵庫で保存したほうが香りも色も新鮮に保てます。

【情報その2】強力抗菌・防臭

タイムにはチモールという強力な殺菌・抗菌作用を持つ成分が含まれています。それがタイムのぴりっとしてすっきりとした香りの正体です。
その殺菌作用を利用して:

【タイムのシューキーパー】

写真のタイムのシューキーパーは、ハンカチを三角に折って、中に綿とタイムを詰めて両側から折り、口を糸で縫いつけた後、リボンでくくったもの。簡単に作れて効果抜群!

【情報その3】クリーピングタイムで香りのじゅうたん

タイムには、大きく分けて、15cm〜40cmほどに育つ「立性のタイム」と、地面にはりつくように育つ「クリーピングタイム」があります。クリーピングタイムを一面に植えた花壇はタイムの香りのじゅうたんのよう。そっと踏んだり寝ころんだりすると、えもいわれぬ香りで天国にいる気分。
花が咲く時期にはじゅうたんの色が徐々に変わり、香りもタイムの花の甘い香りが混じります。
*写真は日本原産のタイム「イブキジャコウソウ」を植えた花壇。ピンクの花のじゅうたんになっています。

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育ててみましょう!!

ポイントは夏越し

地中海沿岸地方原産のハーブで、寒さには強いけれど梅雨期や高温多湿の夏に弱りやすい性質。
土を盛った植え込みや石垣の上などの高い場所に植えるか、素焼き鉢に植えて風通しの良い場所で育てると健康に育ちます。

水やりは控えめに

鉢土の表面がすっかり乾くまで次の水やりは控えて、乾燥気味に育てましょう。水をやるときは鉢底から流れ出るくらいたっぷりと、が基本。

日当たりのいい場所で育てましょう

タイムは、暑さは苦手ですが太陽は大好き。なるべく日当たりのいい場所で育てましょう。

剪定も蒸れ防止に効果的

枝が込み合っていると蒸れて枯れこんでくるので、密生した枝をすくように剪定しましょう。でも、一度に短く刈り込み過ぎると枯れてしまうことがあります。

増やすなら、挿し木か茎伏せで

土に触れている枝から根を出して増え広がる性質があるので、地植えをしている場合は枝の一部に土をかけて埋めると容易に発根します(「茎伏せ」といいます)。元株が枯れこんできても、こうして新しい苗を作っておけば安心。また、枝先を「挿し木」にしてもいいでしょう。

種子から育てると香りはバラバラ

種子から育てた株は香りにばらつきが出やすいので、葉の香りを確かめてから好みにあった香りの株を選抜して育てるといいでしょう。発芽が揃うのに時間がかかるのと、初期の成長が遅いことを考えると、初めは苗を買って育てるのが近道です。

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【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【制作協力】吉田雅紀子、吉川和美