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ガーデニングハーブ 食卓に香りを!ハーブレシピ

「ハーブを育てる」をキーワードに、人気ハーブの詳しいプロフィールと育て方、使い方を提案する【ガーデニングハーブ】。おなじみの「今月のハーブ」の中に「ハーブおもしろ情報」をアップ。さらに新コーナー、「変わり種ハーブ図鑑」「季節のガーデニングここをcheck!」などがプラスされてハーブの知られざる面にも注目。ハーブに触れて香りを感じながらのガーデニングを体験してみてください!

ハーブの生命力に元気をもらう!

5月になると、多年草がいっせいに萌え出します。先月の初め頃は「今年も出てくるかなあ、寒い冬を越えられたかなあ」と心配だったお気に入りハーブも芽を出し、むくむくと育ってきています。地面の中にどんな秘密があるのかと、神秘的な生命力を感じます。

ハーブのギフトカード

「色づくセントジョンズワート」 春夏は、青みがかった緑の葉が、煙ったオレンジピンクに紅葉してきた。葉の形もかわいい。

ハーブのギフトカード

育てるハーブ

《今月のハーブ》ローズ

名:バラ/学名:Rosa species/分類:バラ科・バラ属/高さ:1m〜5m/落葉性低木/開花期:5月または不定期/性質:耐寒性

花の女王と呼ばれるバラは、花の美しさと神々しいまでの香りが愛されています。また、花は美しいだけでなく、素晴らしい薬効があります。古代から薬として使われている種類R.gallica officinalis(アポセカリ・ローズ)の他にも、R.damascena(ダマスク・ローズ)、花弁が多く芳香が強いR.centifolia(キャべジ・ローズ)など香りの強い種類のバラの花弁から、バラの精油が採られ、香水などの香料として使われます。

またR.canina(ドッグ・ローズ)、葉が香るR.rubiginosa(スイートブライヤー、エグランタイン)の、ビタミンC豊富な果実はローズヒップと呼ばれ、ティーにできます。日本のバラ、R.rugosa (ハマナシ、ハマナス)にも、ビタミンC豊富な大きな赤い果実が実ります。その他の種類でも、花の香りが良くて無農薬で育てたものなら、ハーブとしていろいろに利用できます。

バラは見かけによらず性質は強く、意外に育てやすい植物です。原種に近いバラや、オールドローズなどは、現代バラ(モダンローズ)に比べると、病気にかかりにくく、虫の被害も少ないようです。

*バラのアーカイブ記事をごらんください。種まき・苗の植え付け・育て方・収穫方法・使い方などをご紹介しています。→ とっておきのハーブ生活(2005 vol.6)
この季節ぴったりのおすすめレシピ、「フルフル柔らかな、バラのゼリー」も載っていますよ!

ハーブおもしろ情報

【情報その1】花屋さんのバラの花に香りがない?

お花屋さんで買ったバラに香りがないと思ったことはありませんか?
花に顔を近づけても、バラの香りがしないとがっかりします。特に大輪の美しいバラには香りが感じられないことが多いようです。

もともとバラの原種は、ドッグローズ、スイートブライヤーなどの野バラで、素朴な花ながら芳香がありました。その後、花の美しいもの同士を交配させてオールドローズ、イングリッシュローズへと洗練されて行き、より美しく大きなバラ、モダンローズ(ハイブリットティー)へと変化していきました。そしてその過程で、いつの間にか香りが失われてしまったようです。

最近では、オールドローズやイングリッシュローズの可憐な美しさと素晴らしい香りが見直され、栽培する人が増えました。お花屋さんでも、一本の茎に何輪もの花が咲く香りのよいバラが買えるようになったのは、うれしい限りです。香りのないバラのブーケより、香り高いバラのブーケの方が、ずっとずっと魅力的ですね。

【情報その2】バラのジャムは水を入れて煮る

果物のジャムは腐敗を防ぐためからも、なるべく水分を加えないで果物の水分と砂糖だけで煮るレシピがほとんどです。いちごジャムも同様で、いちごと砂糖、レモン汁のみで煮て作られます。

バラの花びらのジャムは、東欧諸国で人気があります。ロシアというと、ロシアンティーが有名ですが、紅茶に香り高いバラのジャムをたっぷり入れて飲むそうです。

さて、庭に咲いた摘み立てのバラの花びらでジャムを作ろうと、いちごジャム同様に、砂糖だけで煮ようとしたところ、花びらが脱水したように固くなってしまい、柔らかなジャムになりませんでした。
そこで発見!「バラのジャムはまずひたひたのお水で花びらが柔らかくなるまでことこと煮てから砂糖を加えるべし!」
でも、長く煮すぎると家中が素晴らしい香りで包まれるのと引き替えに、バラジャムの香りは薄れしてしまうので、ご注意を。

【情報その3】バラ水でお菓子作り

トルコや中近東のお菓子、「ロクム」はバラ水を加えて作られます。バラ水(ローズウォーター)は、バラの花びらを水蒸気蒸留して精油を取る時に一緒に生産される、バラの水溶性のエキスがたっぷり含まれた水です。飲み物に混ぜられたり、化粧水などのスキンケア製品に加えられたりと、大活躍。
そのバラ水をお料理やお菓子作りに使う伝統があるトルコでは、食料品店にバラ水が売っているそうです。日本で流通しているバラ水は、化粧品としてのクオリティーで、保存料が入っている可能性も有るので使えないものがほとんどですが、自宅でバラの花びらのシロップを作り、お菓子作りに使うのも一案です。

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【とっておきの利用法】ビネガーでピンクにローズビネガー

バラの色素は酸(さん)で赤く発色します。ですから、バラのジャムにもレモン汁を加えることで、美しいローズ色のジャムになるのです。では、バラの花びらを酢(ビネガー)に付けたら・・・?
やはり、ピンク色のきれいなローズビネガーになりました。
ビネガードリンクで身体の中から、ローションとして外側からもきれいに!


材料

  • バラの花びら(生でもドライでも)
  • 食用酢(米酢、アップルビネガーなど)
  • 清潔なガラス瓶

作り方

  1. 清潔なガラス瓶にバラの花びらを半分ほど入れ、瓶の口まで食用酢を注ぎ、2〜3日から一週間おいて使います。

レシピメモ

  • お湯で割って、ハチミツやサトウキビ糖を加えて飲みやすくしてビネガードリンクとして。
  • 甘みを加えてから、グラスに氷を満たしたところに注いでアイスでも。
  • 10倍程度に薄めて、フェイシャルローション&ヘアリンスとして。

ローズビネガーが、肌を弱酸性に整え、バラの美肌パワーが発揮されます。シャワー、シャンプー洗顔の後、薄めたビネガーを頭皮や肌にパシャパシャとつけ、なじませた後、ぬるま湯でさっと洗い流して。その後のお手入れは普段通りでOK!


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変わり種ハーブ図鑑

ウィンターパースレーン(Winter Purslane)

ウィンターパースレーン/別名 マイナーズレタス、スプリングビューティー、インディアンレタス 学名:Montia perfoliata ・Claytonia perfoliata/分類:スベリヒユ科/高さ10cm〜40cm/一年草/開花期:5月〜6月/性質:耐寒性 

ツキヌキヌマハコベという和名の通り、湿り気のある土地を好む、ハコベの仲間。根本には、葉柄の先にスプーン形の葉をつけます。そしてその葉とは別に、茎の上部に一体化する形で、蓮の葉のように皿状になった葉をつけ、その葉の中心に、細い花茎を立ち上げて、5弁のかわいい白い花をつけます。
ビタミンやミネラルを豊富に含み全草が食用になり、さくさくとした食感でみずみずしく、おいしい野草です。

【変わり種エピソード1】お皿のような葉に花が!?

お皿のようになった葉の真ん中に、ブーケのように白い小花がいくつも咲きます。その姿がとっても愛らしい。花の後は果実になって、成熟すると黒い種ができます。

【変わり種エピソード2】坑夫のレタス?

カルフォルニアにたくさん自生するウィンターパースレーンは、ゴールドラッシュの頃、金鉱夫がビタミン不足を補うために、サラダなどで野菜のように食べた野草です。ほうれん草のようにさっと炒めてもおいしい!

【変わり種エピソード3】こぼれ種でどんどん繁殖

一年草ですが耐寒性があり、か弱い姿に似ず、とってもパワフル。こぼれ種で勝手に芽生え、元気に増え広がります。コップに活けてもかわいい!


ウィンターパースレーンのサラダ


■材料
  • ウィンターパースレーン
  • お好みのドレッシング
■作り方
  1. ウィンターパースレーンは、きれいに洗って食べやすくちぎり、器に盛る。サラダ用の野菜とミックスしてもOK。
  2. 好みのドレッシングをかけてできあがり。ここでは、ごまドレッシングをかけ、いりごまをトッピングしました。
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【季節のガーデニングここをCHECK!】花がら摘み

ハーブの花が次々と咲く季節。この時期に欠かせないのが、花がら摘みです。日々咲くハーブの花をしおれたものから取り除いて、株をきれいに保つのはもちろん、植物の健康のためにも花がら摘みは必要です。
食べられるハーブならば、花も同様に食べられます。咲いた花を見て楽しむだけではなく、エディブルフラワーとしても活用しましょう。

●花がら摘みのメリット

  1. しおれた花が取り除かれているので、株には新しい花ばかりでフレッシュな印象です。
  2. しおれた花が茎葉に付くと、病気になりやすくなりますが、花がら摘みが予防になります。
  3. 新しい蕾を次々と咲かせるにはパワーが必要。花がらを取り除かないと、種子を結ぶために栄養がとられてしまい、残りの花付きが悪くなることも。特にカレンデュラ(ポットマリーゴールド)は、花がら摘みを日々しましょう。ローズマリーも開花後にたくさん種子が付くので、充実する前に取り除くと株が疲れないようです。ラベンダーも同様です。

●注意点

  1. 種子を採っておく目的がある場合は花を残しておきましょう。この場合も、花がらをある程度取り除いていったほうが充実した種子になります。
  2. 一年草のハーブ(カモマイル、ボリジ、ロケット、チャービル、ディルなど)で、こぼれ種で翌年も発芽するのを期待する場合は、花を残しておきましょう。特にカモマイルはこぼれ種で毎年出てきますが、花をすべて摘み取ってしまうとこぼれ種がなくなってしまいます。また、種子が充実して地面に落ちる前に株を抜き取ってしまうと、こぼれ種からの発芽が望めません。その場合は我慢強く待ちましょう。

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【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【制作協力】吉田雅紀子