ガーデニングハーブ 食卓に香りを!ハーブレシピ

園芸好き必見!毎月ハーブをピックアップして、育て方と活用法を中心に解説する《育てるハーブ》と、<その月のハーブの世話><ハーブを使った楽しいアイディア>をご紹介する《今月のハーブな暮らし》がメインメニュー。ハーブのかわいい寄せ植え講座、《ハーブギャザリング》もスタート。《ハーブのギフトカード》では、今月の榊田ガーデンの様子をお伝えします。

熱帯サマーをハーブと乗り越える

地球温暖化の影響か、日本の夏が年々暑くなっているように感じます。榊田ガーデンのあるここ京都では、祇園祭が終わり梅雨が明けると同時に熱射ジゴク。ハーブだけでなく、人間もペットもひたすら耐える夏に突入です。こんな気候ですから、ヨーロッパ生まれのハーブは息も絶え絶え。なるべく涼しく過ごさせたいものです。

ハーブのギフトカード

「レモングラスと一体化」 バッタなど、ハーブを食べる虫を食べてくれるカマキリ。レモングラスにそっくり!

ハーブのギフトカード

育てるハーブ

レモングラス

Lemongrass/学名:Cymbopogon citratus/イネ科/高さ:100cm〜150cm/多年草/非耐寒性

原産地がインドのレモングラス。ススキに似た姿で、葉をもむとさわやかなレモンの香りが漂う。これはレモングラスとレモンが共通して持つ、シトラールという成分が多く含まれるため。
料理用ハーブとして、東南アジア料理によく使われるハーブ。特にタイのスープ「トムヤムクン」には欠かせない。ただし、現地で使うレモングラスは日本で一般的に出回っている種類とは違い、根元が太く柔らかいのが特徴。この根元を細かく刻んだり、すりつぶしたりして料理に用いる。
日本で栽培されている種類は根元が柔らかくならないので同様には使えないが、葉をスープに加えて香りをプラスしたり、ハーブティーにして飲むなど、さまざまに利用できる。
耐寒性がないので、暖かい地方以外は室内、温室での越冬が必要だが、夏の高温多湿は好きなので日本の気候にあうハーブとも言える。


育て方

種まき、苗の植え付け

海外の種苗会社ではレモングラスの種を扱っているところもあるが、一般的には、苗を手にいれて植え付け、株分けで増やす。日本の本州以東の気候では、花をつけることは滅多にない。

寒さに弱いので、屋外の定植は5月に入って遅霜の心配がなくなってから。日当たりよく、肥沃で水はけのよい土がベスト。有機配合肥料などの元肥を埋め込んで定植する。地植の場合は、植える場所の土をなるべく深く耕して、腐葉土、堆肥などをすき込むといい。

冬季に屋内に取り込む事を考えると鉢植えにしておいた方が便利だが、地植にしたほうがレモングラスらしく伸び伸びと育つ。

育て方

水やり

一度しっかり根付けば、盛夏でも2〜3日に一回の水やりで大丈夫。葉がみずみずしいならば、水も足りていて健康な証拠。高温多湿の日本の夏に合うハーブだが、水はけが悪いところに植えて長雨にあったり、水やりが多すぎると根ぐされをおこして枯れることもある。

肥料

植え付け時の元肥だけでも大丈夫だが、途中で有機配合肥料などを追肥として株元に埋め込むと、より大きく長い葉に育つ。肥料過多は茎が密集して育ち、株が蒸れる原因になったりするので注意。

株分け

春の植え付け前、または秋の植え替え(地植えから、鉢に株あげする場合も)の時に、良く切れるナイフなどで株分けを。その場合、葉は地際15cmぐらいのところでカットしておく。増やす必要がない場合も、株分けをすることで風通しが良くなり、健康に育つ。

冬越し

11月上旬までは露地で育てられるが、寒くなる前に屋内または温室に取り込んで越冬させる。鉢植え、地植とも、葉を根元から約15cmのところでカットし、株分けして鉢植えで屋内にとりこむ。

四国地方以西の暖かい地方や、日当たりのいいベランダや軒先など霜のあたらない暖かい場所なら、屋外で冬越しができる場合もある。何株かある場合は、屋外と屋内に置いてテストしてみるのも一案。

収穫・保存

収穫

収穫したいときに随時葉の部分を切りとって使う。株元10cmぐらいのところで切っておけば、また新しい葉が次々と成長してくる。
葉が茂りすぎて株が蒸れてきたら、株分けの時と同じように、株もと15cmぐらいのところで全体を刈り取るといい。

保存

葉はサッと洗ってから(散水用のシャワーや、お風呂のシャワーも便利)、タオルなどで水気をふき取って、室内で乾燥させる。長いままでクラフトなどに使う目的がない場合は、あらかじめハーブティーに適した2〜3cmの長さに、はさみなどでカットしてから乾燥させると、より速やかにきれいな色に乾燥させられる。長いまま乾燥させてから切り刻んで保存してもいいし、長いまま保存して、使う前にカットしてもOK。

利用法

ハーブティーに

清々しいレモンの香りのハーブティー。消化を助け、疲労回復にもいいとされる。
生の葉を刻んで、または小さく丸めてティーポットに入れ、沸騰したてのお湯を注いで5〜7分待ち、色と香りが十分出てから飲む。カップ一杯につき生葉1本ほど用意。

アイスティーにする場合はレモングラスを多めに加え、待つ時間も長めに。10分ほどおいて濃いティーを作り、グラスに氷を満たして注ぐ。

料理に

東南アジア系のスープやカレーなどによく合う。ナンプラー、ココナッツミルク、にんにく、トウガラシ、コリアンダーなどと特に相性がいい。以下のバックナンバーをご覧下さい。

ビューティーに

殺菌作用のある葉はお風呂に入れるとさわやかな香りで疲れを癒してくれる。粗く切り刻んで目の細かい布袋に入れて使う。洗濯ネットや、キッチンの水切り用ネット、麦茶のパックなどを利用するのも便利。

クラフトに

○リース

レモングラスのリースを作るには、生の葉を20本ほど束ねて輪ゴムでくくり、三つ編みにしながらリース状に丸め、ワイヤーでとめるだけ。飾りを付けて(またはプレーンにレモングラスだけで)、そのまま飾りながら乾燥させる。作り方は以下のバックナンバーをご覧下さい。

○コースター

葉を編み込んでコースターやテーブルセンターにすると涼しげなインテリアに。すばらしい香り。

【とっておきの利用法】レモングラスと緑茶のハーブティー

今が旬のレモングラスと緑茶の新茶をブレンドしたブレンドハーブティー。鮮やかなグリーンが目にもさわやか。氷の上に注いでアイスにすれば、また違ったおいしさに。

材料(約カップ3杯分)

herb&Spice
  • レモングラス ……… 生の葉を1〜2cmの長さに切って大さじ3
  • 緑茶 ……… 大さじ1
  • 熱湯 ……… 約500cc

*乾燥レモングラスの場合は、大さじ1使用。


レモングラスを先にポットに入れてお湯を注ぐ

後から緑茶を加える

作り方

  1. ポットまたは急須にレモングラスを入れ、沸騰したお湯を注ぎスプーンでひと混して、約5分おく。
  2. 1に緑茶を入れ、ふたをして1〜2分おく。
  3. カップに注ぎ分けるか、氷を満たしたグラスに注いでアイスティーにして飲む。

レシピメモ

  • レモングラスティーと緑茶をおいしく作る温度が違うので、時間差で温度調節をしましょう。緑茶は、レモングラスを入れて少し温度が下がってから加えた方が、やわらかい風味を引き出せます。
  • アイスで飲む場合、そのまま冷めるまで放置せずに、すばらしい香気が抜けてしまわないうちに氷の上に注いでアイスティーにしましょう。

ハーブなくらし

THEME1ー 夏越しと咲き終わったハーブの整理

8月、9月は暑すぎる日本の夏。タイム、ラベンダー、セージ、ローズマリーなど、夏が涼しいヨーロッパに自生するハーブは枯れてしまうことも。もう一度夏越しのポイントを押さえて、健康に夏を過ごさせましょう。

夏越しのポイント(おさらい)

  1. 朝早く、または夕方日がかげってから水やりを。根元中心にたっぷりと。
  2. 茂りすぎている株は収穫を兼ねて大胆に剪定し、風通しを良くする。
  3. 西日の当たるベランダなどは、よしずや寒冷紗などで日よけを。
  4. 雑草を取り除き、風通しを良くする。
  5. 花が咲いて種をつけたハーブの整理をする。一年草は抜き取り、多年草は枯れた地上部を寝際から切りとる。

収穫したハーブの乾燥保存

梅雨が終わって8,9月は、収穫したハーブの乾燥保存に適した季節。花も咲き終わり生の料理用ハーブが少なくなってきていますが、剪定を兼ねて収穫したハーブを乾燥させて保存してみましょう。

  1. 収穫したハーブは、さっと水洗いして、タオルやペーパータオルなどで水気をふき取る。
  2. 小枝に分けたり、枝から葉をはずす。そうすることによって水分が早く抜けやすくなり、いい状態で乾燥できる。
  3. ざるや紙箱など通気性のいいものの上にペーパータオルなどの薄紙を敷いて2の状態のハーブを並べ、室内の風通しのいい場所で乾かす。日が当たっている場合は、上に薄紙などをかぶせて日を遮る。
  4. 1週間ほどしてハーブがかさかさに乾いたら、ガラスの容器やセロファン袋に入れて保存。乾燥剤をいれておくと湿気にくい。保存場所は冷蔵庫がベスト。または日の当たらないなるべく涼しい場所で。

ハーブギャザリング

「ギャザリング=gathering」は「寄せ植え」のこと。鉢に一種類の植物を植えるのではなく、数種類の植物を寄せ植えすることです。ハーブの寄せ植えを「ハーブギャザリング」と名付けました。これから数回にわたって、ギャザリングの基本とサンプルをご紹介します。

ギャザリングの基本4 楽しむ季節を考えてギャザリング

もしも特に時期にこだわるなら、そのギャザリングをいつ楽しみたいのか、その時期に合わせて植物を選び、なるべく季節を合わせる工夫が必要です。以下ポイントを挙げてみました。

○植え込むハーブの成長した姿を想像しましょう

  • 寄せ植えにするハーブの成長したときの背の高さ、育ったときの姿や色合いを想像して植え込むデザインを決める。

○開花期に注目!

  • 開花するものは、開花する時期を考慮して植え込む。なるべく長く楽しみたいなら、花期の長いものを選んで。

植物を選ぶ

  • 同系色の植物で構成するなら、なるべく質感が違うもの同士を組みあわせて。

◎ギャザリングを成功させるコツギャザリングを成功させるコツ

●寄せ植えにするハーブは、好みの生育環境の似たものを選びましょう。

例1)ローズマリー、セージ、タイム、ラベンダーなどは、日当たりが良く、水は控えめが◎肥料もすくなめに。
例2)チャイブ、チャービル、ディル、ロケットなどは、日当たりは多少半日陰でもOK. 水やりは十分に。一年草で野菜のように育てるので、肥料も適宜与えましょう。

●用途別に植える場合、料理や、ハーブティーなど食用にする場合は、食べられるハーブのみで寄せ植えしましょう。間違って利用する危険が防げます。

●基本的に寄せ植えはハーブの生育にはプラスにならないので、秋または春に寄せ植えをばらして、のびのびさせてあげましょう。

【サンプルギャザリング】黄色のグラデーションを楽しむ寄せ植え

○使ったハーブ

  • ゴールデンタンジー、ウーリーヤロウ、シルバータイム

このギャザリングの特徴

  • 黄緑の葉のゴールデンタンジー、鮮やかな黄色の花が長期間咲くウーリーヤロウ、白とグレーがかった緑にクリーム色の斑入りのシルバータイムで、黄色系のグラデーションを楽しむ「観賞用の寄せ植え」。
  • ゴールデンタンジーは葉が繊細で、明るい黄緑がさわやか。新芽から花が咲くまでずっと楽しめる。花期になると花茎が上がるので、草姿はやや乱れてしまう。
  • ウーリーヤロウとシルバータイムは成長してもコンパクトな草姿を保つので寄せ植えにぴったり。

寄せ植えするときの注意点

  • ウーリーヤロウとシルバータイム、どちらも高温多湿に弱いので風通しをなるべく良くするように。

手入れ

  • 加湿を嫌うハーブの組み合わせなので、水のやりすぎに注意しましょう。
  • 水やりは土の表面がすっかり乾いてから、鉢底から水がしみ出てくるくらいまで、たっぷりと。
  • 株が蒸れてきたら、間をすかすように剪定しましょう。放っておくと、内側から枯れ込んできます。
  • 2週間に一度程度、薄めた液肥を追肥として与えましょう。

収穫

  • 観賞用ハーブなので、利用はポプリ程度。ただし、シルバータイムは食用にもできます。コモンタイムやレモンタイムと同様に、料理やハーブティーに利用。

シーズン後の世話

  • すべてのハーブをバラバラにして、他の鉢に一種類ずつ植え替えて伸び伸びさせましょう。多年草なので、来年も花を咲かせることができます。
  • タンジーは大株になるので、秋の植え替え時に株分けを。
【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【制作協力】吉田雅紀