Gardening Herb

園芸好き必見!毎月ハーブをピックアップして、育て方と活用法を中心に解説する《育てるハーブ》と、<その月のハーブの世話><ハーブを使った楽しいアイディア>をご紹介する《今月のハーブな暮らし》がメインメニュー。ハーブのかわいい寄せ植え講座、《ハーブギャザリング》もスタート。《ハーブのギフトカード》では、今月の榊田ガーデンの様子をお伝えします。

My Special Garden

また新しいハーブガーデニングの季節が巡ってきました。これからは、毎日目に見えてすくすく育つハーブが楽しみ!さまざまな色合いのハーブがタペストリーのように広がるハーブガーデン、ベランダの鉢植えガーデン、窓辺のひと鉢のガーデン・・・大きさなんて関係ありません。とにかくどんなガーデンでも「My Special Garden」。自分の夢を描いて、さあ、種をまきましょう!

ハーブガーデン便り

育てるハーブ

ディル

フェンネルによく似た姿だが、フェンネルよりも枝葉は青みがかり柔らかい。かすかな辛みと独特の香りが他のハーブには無い風味を醸し出す。スカンジナビア料理には欠かせないハーブで、魚介類、ジャガイモ、卵と特に相性がいい。サーモンにぴったりのハーブ。
種子のハーブティーは消化を助け、腸内のガスを減らす。眠りを誘う作用も知られる。種子はまたピクルスに欠かせない。中でもキュウリのディルピクルスは有名。種子だけでなく生の花や葉を入れる場合もある。

ディル

育て方

種まき・苗の植え付け
一年草なので収穫量を増やす点からも、種をまいて育てるほうが効率的。暖かい地方では秋まきに。秋まきにした方が収穫期間が長くなる。春まきにする場合は、2月の下旬ぐらいに室内で発芽させると早く苗にすることができる。
移植を嫌うので、プランターや鉢に直まきにして間引きながら育てる。間引いた苗も利用できる。
苗を買ってきた場合は、霜の心配がなくなったら水はけの良い土に植える。背が高く育ち倒れやすいので、20〜30cmぐらいに育ったら早めに支柱を立てる。
育て方
やや肥沃な柔らかい土に植え、日当たりのいい場所で育てる。
乾燥を嫌うので、水切れをおこさないように気をつける。ただし湿気が多すぎると、カビが生えたり病気が発生することがある。

収穫・保存

収穫
ディルなどセリ科のハーブは内側から新芽が育つので、外側の葉から収穫していく。花芽がついてとう立ちすると葉が固くなる。また種子を結ぶと枯れてしまうので、葉を利用したい間は花芽を摘み続けるように。
種子は色づき始めたところで枝ごと切り取り、室内で追熟させながらしっかりと乾燥させる。種子の収穫は晴れた日に。
保存
生の葉と花は、洗ってペーパータオルでくるみ、ビニール袋に入れて野菜室で保存。刻んで冷凍保存もOK。ただ乾燥すると香りは弱くなる。

利用法

葉を生で
葉は生で利用する。生の柔らかいハーブのミックス、フィヌゼルブに使われる。魚介類によく合う。火を通すと風味が失われやすいので、刻んだものを出来上がりにふりかけたり、混ぜ込んだりするといい。
刻んだ葉をクリームチーズや、マヨネーズ、ヨーグルトに混ぜ入れ、塩・こしょうで味を整えたものは、ディップソースとして野菜(生でも蒸したものでも)につけて食べる。
種はピクルスに
種(ディルシード)のハーブティーは消化を助け、腸内のガスを減らす。鎮静作用があり、眠りを誘う作用も知られる。種子はまた、ピクルスに欠かせない。中でもキュウリのディルピクルスは有名。種子だけでなく生の花や葉を入れる場合もある。

ワンポイント利用法

ディルピクルス

旬の野菜を食べやすい大きさに切り、ディルで風味をつけたピクルス液に漬け込めば、市販のものよりもずっとおいしいディルピクルスが作れます。日本の漬け物より塩分が少ないのでヘルシー。サラダ感覚でたっぷり食べたい!

【材料(約4人分)】
<ハーブ&スパイス>
  • ディル(生) ・・・葉のついた小枝を2〜3枝
  • ディル(シード) ・・・小さじ1
  • クローブ ・・・5本
  • ブラックペッパー ・・・5粒
  • マスタードシード ・・・小さじ1/2
  • ローリエ ・・・2枚

*ディル(生)の花を入れると、より風味が増す。
*ディル(生)の葉がなければ、ディルの種子とスパイス類だけでもOK
*シード(種)は、スパイスとして売られているものを使用。種まき用の種子は薬品で殺菌されているので、食用にできない。

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。
スパイスS&Bでも取り扱っています。


<食材>
  • キュウリ ・・・3本
  • カリフラワー ・・・約1/4房
  • パプリカピーマン(黄) ・・・1個
  • ニンニク ・・・ひとかけ
  • オクラ ・・・8本
  • リンゴ酢 ・・・750cc
  • 水 ・・・500cc
  • 砂糖 ・・・100g
  • 塩 ・・・大さじ2
【作り方】
<材料の準備>
  1. 野菜類は洗って食べやすい大きさに切る。キュウリは3〜4cmの長さに切ったものをさらに縦に四つ切りに。カリフラワーは小房に分ける。パプリカは半分に長さに切って中の種を取り除き約1cm幅に切る。オクラは半分の長さに切る。ニンニクは皮をむいて4枚にスライスする。
  2. ディル(種)、クローブ、ブラックペッパー、マスタードシードを乳鉢またはすり鉢で軽くつぶす。つぶしすぎると香りが強くなりすぎるので、傷を付ける程度に軽く。
<手順>
  1. 鍋にリンゴ酢、水、砂糖、塩、スパイスとハーブ類をすべて入れ、かき混ぜて砂糖と塩を煮溶かしながら沸騰させピクルス液を作る。
  2. ガラスまたはホーローのボウルに1の野菜類を入れ、熱いピクルス液を注ぎ小皿を落としぶたにして野菜が浮き上がらないようにし、一晩おいてなじませる。
  3. 消毒したガラス瓶に2のピクルスを液ごと入れ、しっかりふたをして冷蔵庫で保存。
■ レシピメモ
  • ピクルスは次の日にでも食べられるが、一週間程度なじませた方がマイルドな味わいになる。ピンの消毒が不十分だとカビが生えたりするので冷蔵庫で保存を。
  • 他の野菜でもピクルスにできる。玉ねぎ、プチオニオン、にんじん、セロリ、カブ、大根など、生で食べられる野菜ならなんでもおいしいピクルスに!

ハーブな暮らし

種まき

4月は種まきのシーズン。たくさん収穫したい時は、ぜひ種まきに挑戦を!
ほとんどのハーブが4月にまきどきを迎えます。自分で種をまいたハーブが芽吹いて育っていくのを眺めるのは、格別の楽しみです。また、間引いた芽や苗も利用できます。

①種のまき時

【ポイント】 ●春はソメイヨシノが散る頃、秋はお彼岸頃 ●春は遅めに、秋は早めに

  • 種まきの時期は、その種子の発芽適温によります。種子の袋に適温が示されているのでそれに従いましょう。主に秋まきと春まきがありますが、適温さえ保てればいつでも発芽させることができます。
  • 春はソメイヨシノが散る頃あたりが、たいていのハーブのまき時。秋はお彼岸頃がいいでしょう。春は、気温が上がりきらないと発芽が揃わないので、あまり焦らずに。 秋は、うかうかしていると急に寒くなるのでちょっと早めを心がけて。
  • 秋まきに適したハーブ・・・コリアンダー、チャービル、ディルなど耐寒性のある一年草のハーブは、秋まきにして冬の間にしっかりとした苗に育てておくと春早くから枝葉を大きく茂らせ、開花して枯れるまでにたくさん収穫して利用することができる。
  • 春まきに適したハーブ・・・バジルやナスタチウムなど、発芽適温が高く耐寒性もないハーブの場合は、春まきに。ナスタチウムは室内で越冬できる。

②種まきの手順

  1. 種まき用土は、病原菌や肥料分を含まないものを用意する。
  2. 鉢や育苗箱、ポリポットなどにピートモスと細かいタイプのバーミキュライトを、1:2ぐらいの割合で混ぜ合わせ、水で十分に湿らせたものを入れる。
  3. 大きな種は一カ所に2粒ぐらいずつ点まきにし、小さな種はあらかじめ土に線を引いて置いたところに筋まききにするか、重ならないようにばらまきにする。
  4. まき終えたら上からうっすらと土をかぶせ、そっと押さえておく。
  5. 発芽までは土を乾かさないようにするが、強い雨が当たったり、じょうろなどで激しく水をまくと種が流れてしまう。霧吹きで湿らせたり種床に新聞紙や白色の寒冷紗をかぶせておき、その上からそっと水まきをするといい。
  6. 発芽が揃ったら間引きながら育てる。しっかりとした苗に育ったら適当な場所に定植する。

【ポイント】 ●移植を嫌うハーブ、一年草ハーブは直まきに

  • ディル、フェンネル、ボリジ、コリアンダーなど移植を嫌うハーブもあります。移植を好まないものは、あらかじめ土作りをしておいたプランターや庭にじかまきにして、間引きながら育てるといいでしょう。短期間に育つ一年草のハーブも直まきで大丈夫。食べられるハーブは間引き菜も食用にできるので、こまめに間引いて、しっかり健康な株に育てましょう。
  • 直まきの場合は、生育に適した土をあらかじめプランターまたは鉢に入れ、一番上の部分の土には1の種まき用土を。

ハーブギャザリング

「ギャザリング=gathering 」 は「寄せ植え」のこと。鉢に一種類の植物を植えるのではなく、数種類の植物を寄せ植えすることです。ハーブの寄せ植えを「ハーブギャザリング」と名付けました。これから数回にわたって、ギャザリングの基本とサンプルをご紹介します。

■ギャザリングの基本1

まずはギャザリングのメリット(長所)とデメリット(短所)を理解しましょう。

○ギャザリングのメリット
  • 数種類のハーブをいっしょに植えることで、葉色と花色、姿、風合いなどの組み合わせを楽しめます。デザインする喜びもあり、育っていく間の変化には予想を越えた面白さがあります。
  • ハーブティーにぴったりのハーブの寄せ植え、サラダ用ハーブの寄せ植えなど、用途別に寄せ植えすると便利。
○ギャザリングのデメリット
  • ハーブは(どの植物にも当てはまりますが)、種類によって日当たり、水やり、土の性質(肥料)など、好む生育環境が異なるので、一緒に植えるのには組み合わせに配慮が必要です。
  • ハーブの中には株張りが大きく生育の旺盛なものがあり、寄せ植えには向かないものもあります。

■ギャザリングの基本2

次にギャザリングを成功させるコツを押さえましょう。

○ハーブの選び方

寄せ植えにするハーブは、好みの生育環境の似たものを選びましょう。
例1)ローズマリー、セージ、タイム、ラベンダーなどは、日当たりが良く、水は控えめがよい。肥料も少な目に。
例2)チャイブ、チャービル、ディル、ロケットなどは、日当たりは多少半日陰でもOK。 水やりは十分に。一年草で野菜のように育てるので、肥料も適宜与えましょう。

○食用のハーブ

用途別に植える場合、料理やハーブティーなど食用にする時は、食べられるハーブのみで寄せ植えしましょう。間違って利用する危険が防げます。

○ギャザリングのあとは

基本的に寄せ植えはハーブの生育にはプラスにならないので、秋または春に寄せ植えをばらして、伸び伸びさせてあげましょう。


■ギャザリングレシピ

サラダ用ハーブのギャザリング

○使ったハーブ

チャイブ、サラダバーネット、タンポポ、イタリアンパセリ、チャービル、パースレーン、ロケット

○特徴

多年草のチャイブ、サラダバーネット、タンポポ、2年草のイタリアンパセリを、一年草ハーブと組み合わせる。 平凡なグリーンサラダも、この人ひと鉢のギャザリングから摘み取ったフレッシュなハーブを加えれば、ナイスなイタリアンのひと皿に。生でむしゃむしゃ食べられるハーブが揃った便利な寄せ植えです。

○注意点
  • 種類が多いので、口径が大きく浅めの鉢に植えるといい。
  • 育った後の姿や、背の高さを考えて植え込む場所を決める。ロケット、サラダバーネット、チャイブは30cm程度に育ち、他のハーブより背が高くなるので、バランス良くなるように配置を。
  • 柔らかい葉を食べるサラダ用のギャザリングなので、油かすを中心とした元肥をしっかり与えておき、肥料切れにならないようにする。
○手入れ
  • 小さなスペースに他種類植えているので、とにかく小まめに摘み取って使うことが健康に育てるコツ。
  • 2週間に1度程度、薄めた液肥を追肥として与えましょう。
  • 水やりは土の表面が乾いてから、鉢底から水がしみ出てくるくらいまでたっぷりと。
○収穫

サラダやパスタなど、生のハーブが必要なときに適宜摘み取って使う。

○シーズン後の世話

一年草のハーブは枯れるので抜き取る。多年草のハーブも鉢から出して、他の鉢に一種類ずつ植え替えて伸び伸びさせましょう。

【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【料理アシスタント】吉田雅紀子、吉川和美

  スパイスとハーブはS&B