心と体をいたわるアロマテラピー・・・、《癒しのアロマテラピー》では、家庭や仕事で楽しめる実践的なアロマテラピーをやさしくレッスン。生活のいろいろな場面でのエッセンシャルオイルの使い方を、毎回テーマを変えてご提案します。ハーブに加えてアロマもライフスタイルの一部にしてみませんか?

和の香りで広がる愉しみ
アロマテラピーというとヨーロッパからやってきた新しいもの、という印象がありますが、古くから伝わる日本の風習や生活の中にも同じように香りやハーブの薬効成分をとりいれたものが多くあります。

アロマでいたわるハーブ

日本の風習として昔から続いている、冬至のお風呂にゆずを入れたり、初夏には菖蒲の葉を入れたりする習慣。これも言わば“アロマバス”ですよね。日本にも形こそは違え、さまざまなアロマテラピーの習慣が伝えられています。そんなことで、今回は「和」という面からアロマテラピーを楽しんでみましょう。

「和」の香りって?

一言で「和」の香り、といってもイメージは様々です。ここでは、香道や宗教行事などで伝統的に使われている香りに注目してみましょう。日本では、古く飛鳥時代から仏教と共に大陸から伝わり、主に貴族の間で発展してきました。着物に香りを焚き染めたり、練香を作って楽しんだりなど、生活の中にも取り入れられていたのです。エッセンシャルオイルを使って、ちょっと気軽に古(いにしえ)の香りを楽しんでみませんか?
まずは、和の香りの精油を紹介しましょう

精油 和名 精油の作用など
フランキンセンス 乳香 すっきりしたバルサム調の香り。聖なる香りといわれる。呼吸器系のトラブル、咳、風邪に良い。皮膚を健やかに整える作用に優れている。
サンダルウッド 白檀 やや甘いウッディな香り。仏教の行事には欠かせない香り。精神を安定させる。抗菌・利尿作用にも優れる。冬季の肌の乾燥にも良い。
シナモン 桂皮 スパイシーな香り。強力な殺菌・加温作用があり風邪の引き始めや身体が冷える時に使うと効果的。刺激が強いため、顔への使用は禁止。皮膚に塗布する際は0.5%以下で使用。
ベンゾイン 安息香 甘いバニラに似た香り。去痰作用があるため、風邪や呼吸器系のトラブルに良い。防腐作用や香りの保留にも優れており、化粧品や香水などに使われることも多い。
クローブ 丁字 強いスパイシーな香り。強力な殺菌作用や消臭作用があるため、昔から虫歯予防などのケアに使われてきた。健胃・食欲増進作用にも優れアジアでは料理にも多用されている。
サイプレス 糸杉 さわやかな木の香り。昔から慢性の呼吸器系のトラブルに葉を蒸したり焚くなどして使われてきた。鼻水・鼻づまりの不快感にも。止血作用もあるため、鼻血などの出血トラブルにも良い。
パイン フレッシュな森の香り。強力な殺菌消毒作用がある。気管支炎・インフルエンザ・呼吸器系の疾患に良い。傷みやすく、傷んでくると皮膚に対して刺激があるので注意が必要。
パチュリ かっ香 スパイシーな乾いた土の香り。強力な防虫防腐作用があり、古来シルクの輸送にその葉が使われた。皮膚の成長を促し、傷を癒す作用に優れている。
マンダリン 陳皮 厳密には種類は違うが日本の蜜柑の香り・成分に最も近い。甘く優しい柑橘系の香りで作用も優しく、子供にも安心して使える。心身のリフレッシュに良い。消化器系を刺激し、また身体の毒素を排出する作用もある。

では、実際の楽しみ方を紹介しましょう。

<エッセンシャルオイルのレシピ>

○身にまとうスイーツ

  • マンダリン4:ベンゾイン2

○豪華に平安貴族気分

  • ローズ2:パチュリ1:サンダルウッド1

○安らかな夢を

  • ラベンダー4:フランキンセンス2

<こんなふうに使ってみましょう>

A.ボディコロン

■材料

  • 無水エタノール 5ml
  • 精製水 25ml
  • エッセンシャルオイル 好みの組み合わせで計6滴

■作り方

  1. スプレー容器などにエタノールを入れ、精油を滴下し、よく振って混ぜる。
  2. 精製水を加え、再び良く振って全体が良く混ざるようにする。

■使い方

  • 気分に合わせて、気軽にボディに一吹き。

B.練香

■材料

  • ホホバオイル 15ml
  • 蜜蝋 5g
  • エッセンシャルオイル 好みの組み合わせで計6滴

■作り方

  1. 蜜蝋を湯煎にして完全に溶かす。
  2. ホホバオイルを少しずつ加え、良く混ぜる。
  3. 容器に入れ、あら熱が取れたら精油を滴下し良くかきまぜる。

■使い方

  • 練香はクリーム状の香水です。手首や首筋などに少量つけて香りを楽しめますよ。

C.ボディパウダー

■材料

  • コーンスターチ 大さじ2
  • エッセンシャルオイル 計6滴

■作り方

  1. コーンスターチに精油を滴下して、よく混ぜる。
  2. 密閉容器にて保存する。

■使い方

  • 気軽にボディに振って使ってください。

和の精油

また、最近では日本でも生産されるエッセンシャルオイルが増えてきています。富良野のラベンダーなどは有名ですが、「和」の香りとして注目のオイルをいくつかご紹介しましょう。 これらのエッセンシャルオイルは、日本人にとって馴染みがあり心地よさを感じる香りなので、年配の方や男性など、普段アロマテラピーに触れる機会の少ない方にも抵抗感が少ないのではないでしょうか。普段のブレンドに1種類加えてみても良いですね。

○日本で取れる材料から作る精油

ゆず すっきりした柑橘系の香り。殺菌消毒、デオドラント作用にも優れている。また、血管を拡張させて血行促進させる。光毒性があるため、使用後は日光に当たらないよう注意する。
ひのき ややスパイシーな森の香り。鎮静作用が高く、気持ちを安定させる。また、空気の浄化にも良い。肌への刺激が強いため、少量で使用すること。
ひば スーっとした清涼感のある香り。殺菌・抗菌・防虫作用が非常に高く、様々な分野で活用されている。精神安定作用もあり、森林浴効果に近いリラックス感をもたらす。肌への刺激が強いため、少量で使用すること。
もみ さわやかな木の香り。呼吸器系への作用にすぐれ、風邪やインフルエンザに伴う全身の症状に良い。酸化が早く、傷んでくると皮膚に対して刺激があるので注意が必要。
月桃 レモンに少し似た草の香り。強力な防腐・防虫・殺菌作用。抗炎症作用やポリフェノールも含まれ、花粉症にも良い。肌を引き締める収斂作用も高く、美肌効果も注目されている。

では、日本の精油を使いこなす方法を紹介しましょう。

A.アロマバス

■材料

  • エッセンシャルオイル 計6滴
    ゆず湯気分なら、ゆず4:ローズウッド2
    露天風呂気分なら、ひば2:ローズマリー3:ペパーミント1
  • 基材 天然塩を大さじ1〜2、またはバスオイルを大さじ1、あるいは日本酒1カップ

■作り方

  1. 上記の基材いずれかに精油を入れてよく混ぜる。

■使い方

  • 浴槽に入れて、香りを楽しみましょう。

B.エアーフレッシュナー

■材料

  • エッセンシャルオイル 計6滴
    さわやか森林浴気分なら、ひのき3:ジュニパー3
    南国気分なら、月桃4:レモングラス2
  • 無水エタノール 5ml
  • 精製水 45ml

■作り方

  1. スプレー容器などにエタノールを入れ、精油を滴下し、よく振って混ぜる。
  2. 精製水を加え、再び良く振って全体が良く混ざるようにする。

■使い方

  • 気分に合わせて、お部屋でシューッと一吹き。

【文】鈴木理恵 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子

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