園芸好き必見!毎月新しいハーブをピックアップして、育て方と活用方を紹介する《育てるハーブ》と、その月のハーブの世話、今やりたいハーブを使った楽しいアイディアをご紹介する《ハーブな暮らし》がメインメニュー。榊田ガーデンをお伝えするお馴染み《ハーブガーデン便り》も必見。定番の【ハーブ園芸基礎講座】も要チェックです。

冬越しばっちりセミナー
11月に入ると、時折、寒いっ!と首を縮めることが多くなります。きっと植物も同じ。そろそろ冬越しの準備をしておきましょう。かといって、甘やかしは禁物。冬の寒さが、ハーブの健康に必用な場合もありますから。人間もハーブも厚着のし過ぎはダメですね。

春の庭の

育てるハーブ

チャービル

  フランス語で「セルフィーユ」と呼ばれるチャービル。繊細で柔らかな葉は、さわやかなアニスのような香りがして、さまざまな料理に合う。中でもフランス料理には欠かせない。フィヌゼルブ(フレッシュハーブのミックス)の中の一品。単品で使うとデリケートな風味で、他のハーブとミックスすると、風味に深みを与える。
  強い香りがないので、和食にも無理なく合うハーブ。時にはケーキの飾りに使われたり、デザートにあしらわれることも。個性が強くないのが個性といえる。

チャービル
育て方
種まき・苗の植え付け
○種まき
チャービルは、株をしっかり大きく育てるよりも、柔らかな新芽を食べたいハーブ。プランターなどに種をまいて、どちらかというと密植して育てると、たくさん利用できる。
種は比較的大きくてまきやすいが、発芽率が悪いので多めにまくようにする。移植を嫌うので、プランターや鉢に直まきにして、間引きながら使うといい。発芽温度も影響するので、種の袋に書いてある時期を参考にしてまくが、一袋全部使わずに種を残しておき、発芽しなかった場合は時期をずらしてまくといい。
一年草なので、春まきにするとすぐに花が咲いてしまい、収穫期間が短くなってしまうので、秋まきか、2月頃に室内で種まきをして、暖かくなってから戸外に出すと長く収穫できる。
○苗の植え付け
直まきが基本だが、苗を購入した場合は、霜の心配がなくなってから戸外に植える。土は柔らかく、保湿性のある肥えた土を。腐葉土を多く漉き込むといい。
場所は半日陰で、土に湿り気を保ちやすいところがいい。直射日光が一日中当たる場所や、乾燥しがちな場所ではうまく育たない。
育て方
プランターにたくさん種をまいて育てる場合は、種まきの前に腐葉土にプラス元肥を入れて、柔らかな肥えた土作りを。
初めはふさふさと新芽が育って調子がいいが、株が蒸れてくると病気になったりも。株元からどんどん刈り取って使うことで通気性も日当たりも保てる。
何度か収穫を繰り返した後、外葉が黄色っぽくなってきたら肥料切れも疑われる。薄めた液肥を2週間に一回程度あたえるといい。
水を与えすぎると根ぐされをおこすが、株が大きく育った後は、水切れにも注意。一度水切れをおこすと、瑞々しく育った枝葉がくしゃくしゃに痛んでしまう。
《夏越し、冬越し》
半日陰で育てた葉は柔らかく、香りも風味もいい。夏の暑さを嫌うので、半木陰などに鉢を移動するといい。風通しのいい場所で育てる。一年草なので、花が咲いて種を付けた後は枯れる。
耐寒性はあるが、霜に合うと葉が傷む。その場合も春になると新芽が出てくるので心配ない。冬越しは軒下がちょうどいい。
収穫・保存
セリ科の植物は、新芽が株の中心から育つので、葉の収穫は外葉から切り取るように。チャービルの繊細な香りには、新鮮さが欠かせない。摘みたてを使うのがベスト。
種をたくさんまいて密植した場合は、葉が茂ってきたら株元3〜4cmぐらいのところから刈り取って使う。すぐに新芽が伸びてきて、再度収穫できる。
花を咲かすと種をつけて枯れてしまうので、とう立ちしてきたら、株元近くからの収穫を繰り返す。
乾燥保存は、ほとんど不可能。フレッシュなものを使うのが基本だが、たくさん収穫した場合は刻んでジッパー袋に入れて冷凍することもできる。ただし、食感が変わってしまうので、冷凍のまま炒め物やソースの風味付けに利用。
パセリなど他のハーブとオリーブオイル、ニンニクなどと一緒にミキサーにかけ、ペースト状にして冷凍保存すると、ソースやパスタ、オードブルなどに使えて便利。冷蔵庫では、一週間程度で使い切る。
利用法
○ ドレッシング、ソースに
細かく刻んで、ドレッシング、ソースに。
○ 卵料理に
オムレツなど、卵料理によく合う。細かく刻んだものを卵液に混ぜ込んで焼いたり、オムレツの具と炒め合わせる。
○ スープに
風味が失われやすいので、調理の最後に加える。和風のお吸い物にもあう。
○ サラダに
どんな野菜とも相性がいい。洋風に限らず、和風、中華風、韓国風にも合う。
○ ティーに
生葉のティーには身体の浄化作用、血行促進、消化促進の作用があるといわれる。

ワンポイント利用法

おいしいハーバルブーケ

お料理の仕上げにハーブをあしらうことはよくありますが、「一枝添える」といったスタイルがほとんど。そこで今回は、かわいいブーケにしてあしらうことを提案!
ブーケをまとめる小さな器は、今回ネギにしましたが、キュウリの薄切りやセロリの薄切りで巻いてもかわいい!
もちろんそのままメインのお料理と一緒にぱくっと食べられます。

■ 材料(1人分)
  • 生さんま ・・・一匹
  • ニンニク ・・・一片
  • ミニトマト ・・・10個
  • 白ネギ ・・・5cm程度
  • チャービル ・・・ブーケ用に2〜3枝と、料理用に粗みじんを大さじ2
  • 小麦粉 ・・・約大さじ2
  • 塩・こしょう ・・・少々
  • オリーブオイル ・・・適宜

【作り方】
  1. さんまは、頭と尾を取り除き、2つに切る。内臓も取り除き、洗って水気をふき取り、塩・こしょうで下味を。10分ほどおいた後に、小麦粉をまぶす。
  2. 白ネギは、根元の白い部分を5cmにカットし、中の部分を抜いて空洞にする。庖丁で、上から半分ぐらいの長さまで縦に細く切れ込みをいれ、水に放って、カールさせておく。ネギの器ができたら、チャービルの小枝をバランス良く差し込んでブーケにする(小鉢に水をはって、料理にあしらうまで根元を水につけておく)。
  3. 上にかけるトマトソースを作る。フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れ、あらかじめ1/4に切ったミニトマトを炒め、塩・こしょうで味を付ける。さんまにかける時に、もう一度温めて、チャービルのみじん切りを加えて仕上げる。
  4. ニンニクはスライスし、フライパンに大さじ2程度のオリーブオイルをいれ、油の冷たいうちからニンニクを入れて、かりっとソテーする(焦さないように)。ニンニクを皿に取り出し、香りのついた油はとっておく。
  5. フライパンに残った3のオイルを熱して、1のさんまを入れ、こんがりとソテーする。
  6. 5を皿に盛り、温めて、チャービルのみじん切りを加えた3のソースをかけ、4のニンニクのソテーをのせる。最後に2のブーケを添えてできあがり。
ワンポイント
  • にんにくを焦がすと風味が悪くなるので注意する。
  • チャービルのブーケは、しおれやすいので、準備してから最後にあしらうまで、根元を水につけておく。
  • さんまは焼き過ぎるとぱさぱさするので程良く。

ハーブな暮らし

ハーブの冬越し

ハーブの冬越し、難しいと思っていませんか?いえいえ、意外に簡単です。ポイントは、ハーブの故郷を想像することだけ。日本の気候に似た地方が原産のハーブは、戸外に放っておいても大丈夫!

【冬越しが苦手なハーブ】

冬越しで気を付けるのは、主に熱帯地方原産のハーブ。常夏の国で育つハーブは寒さに弱いので、暖かい室内に取り込むことが必要です。
でも、一般的なハーブで、寒さに弱いものはそれほど多くはありません。レモングラス、レモンバーベナ、センテッドゼラニウム類、アロエ、ヘリオトロープ、ジャスミンなどですが、これらは初霜の前に室内に取り込んだ方が安心です。
アロエ・ベラは、特に耐寒性が弱いようです。フレンチラベンダーや、レースラベンダー、観賞用のセージ(フルーツセージなど)の中には、寒さに弱いものもあります。
また、一般的ではありませんが、パチョリ、ベチバーも耐寒性は弱いようです。
何鉢かあるのなら日当たりのいい軒下でも試してみて、うまく育つようならば、室内に入れなくても大丈夫。


【冬越しは戸外のハーブ】

コモンラベンダーやミントなど、寒さに強いハーブまで取り込む必要はありません。むしろ、病気にかかりやすくなったりして、よくないことも多いのです。
普通に日本の気候で育つようなハーブ(原産地の気候が日本に近いもの)は、特別な冬越しの必要はありません。タラゴンなど、寒さに会わないと春に芽が出づらいので、甘やかしすぎるのもよくありません。


【地植のハーブはどうするか?】

地植えで室内に取り込めない場合や、半耐寒性の植物の場合、株元を、敷きわらや腐葉土などでマルチング(保護)するだけでも、効果は望めます。


【秋にまいたハーブの苗は?】

秋にまいた種は、霜が降りる頃までには10〜15cm 程度に育っていると思います。寒さに強いハーブなら、雪が降ったり、霜のあたる戸外でも大丈夫ですが、やはり葉は傷んでしまいがち。寒い時期も葉を摘んで使いたいのなら、日当たりのいい軒下で(プランターや鉢を)育てた方がいいでしょう。
室内に取り込むとひょろひょろと、成長しすぎてかえって良くないこともあります。

木の実とスパイスのポプリ

秋は木の葉が色づき、松ぼっくりやどんぐりなど、木の実もいっぱい。散歩にでたときにひろってコレクションしておきましょう。お気に入りの器に、ひろってきた木の実や葉っぱを少しずつ集めて、乾燥させながら飾るだけ。香り付けしたスパイスで、秋の香りを楽しみながら。

松かさ、紅葉の落ち葉、野草の実などを集めて、器にあしらいながらコレクション。
そこにエッセンシャルオイルをしみ込ませたシナモンスティックやスターアニス(八角)などのスパイスをくわえて、ほんのり秋の香りに。エッセンシャルオイルは、パチュリ、サンダルウッドなどオリエンタルな香りに、ちょっぴりローズやゼラニウムなどの香りをプラスして。
オレンジとシナモンも合います。コレクションが増えるごとにポプリの色合いも変わるのが楽しみ!


【ちょっと一工夫】

  1. 小さい栗のイガや、小さなざくろが落ちていたら、ラッキー。素敵なアクセントになります。
  2. ザクロを食べた後の皮もかわいい。オレンジ、グレープフルーツなど柑橘系の皮も。
  3. 姫リンゴにクローブを刺してシナモンをまぶした「ポマンダー」も秋のポプリのアクセントに。

【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子

  スパイスとハーブはS&B