園芸好き必見!毎月新しいハーブをピックアップして、育て方と活用方を紹介する《育てるハーブ》と、その月のハーブの世話、今やりたいハーブを使った楽しいアイディアをご紹介する《ハーブな暮らし》がメインメニュー。榊田ガーデンをお伝えするお馴染み《ハーブガーデン便り》も必見。定番の【ハーブ園芸基礎講座】も要チェックです。

夏枯れのガーデンをリフレッシュ
9月に入ると残暑の厳しい中にも、朝夕はさわやかな風を感じるようになります。夏枯れのハーブガーデンもさっぱりと剪定・整理して、秋の種まきをしましょう。来年の春の鮮やかなグリーンを夢見ながら。

春の庭の

育てるハーブ

レモングラス

  原産地がインドのレモングラスはススキによく似た姿で、葉をもむと、さわやかなレモンの香りがします。これは、シトラールという香気成分です。夏の高温多湿が大好きなので、ある意味、日本の気候に合うハーブとも言えるでしょう。
  東南アジア料理によく使われますが、特にタイのスープ「トムヤンクン」には欠かせないハーブです。ただし、現地で使うレモングラスは熱帯産のレモングラスで、根元が太く育ち、また日本での栽培種と比べて柔らかいのが特徴で、根元を細かく刻んだり、すりつぶしたりして料理に使えます。
  日本での栽培種は根元が柔らかくならないので、すりつぶしたりはできませんが、葉をスープに加えたり、ハーブティーにして飲むなど、さまざまに利用できます。耐寒性はないので、一部の地方を除いては室内での冬越しが必要です。

−レモングラスのハーブティー−

  レモングラスのハーブティーは、胃腸の働きを助け、疲労回復に役立ち、体の熱を冷ますとされます。生のレモングラスがある時期は、是非生で楽しみましょう。フレッシュな香りに夏バテの心と体が癒されるようです。
  刻んでポットに入れるのが普通の作り方で、薬効も出やすいのですが、長い葉をくるくると丸めてリースのようにしてポットに入れるのもかわいいですよ。また、茶殻を取り出しやすいのでグッドです。乾燥レモングラスもおいしいので、旬の季節以外はドライで。詳しい作り方は利用法をご覧下さい。

レモングラス
育て方
種まき・苗の植え付け
○種まき
通常は苗を手に入れるか、株分けで育てます。日本の本州以東の気候では、露地栽培で花をつけることはめったにありません。海外の種苗会社では、種を扱っているところもあります。
○苗の植え付け
東南アジア原産で寒さに弱いので、屋外への定植は5月に入って遅霜の心配がなくなってから日当たりのいい場所に。肥沃で水はけの良い土に、有機配合肥料などの元肥を埋め込んで定植します。寒さに弱いので、本格的に寒くなる前に(本州では11月までに)室内の日向や、温室に取り込むことが必要です。 冬越しを考えると、初めから鉢植えで育てるのが楽ですが、地植えにしたほうがレモングラスらしくのびのびと育ちます。
育て方
水やり
一度しっかり根付いてしまえば、盛夏でも2〜3日に一回の水やりで大丈夫です。葉がみずみずしく育っていれば水も足りていて健康な証拠。高温多湿の日本の夏が大好きなハーブですが、水はけの悪い場所に植えて、雨が多すぎたり、水やり過多だと、根ぐされを起こすこともあります。
株分け
春の植え付け前、または秋の株上げのときに良く切れるナイフなどで株分けを。増やす必要のない場合でも、株分けをすることで風通しも良くなり、元気に育ちます。
冬越し
11月上旬までは路地で育てられますが、寒くなる前に室内または温室に取り込んで冬越ししましょう。鉢植えの場合は株元から15cm程に刈り込み、植え替えてから取り込みます。地植えの場合は、掘りあげて(株上げ)鉢に植えて室内に取りこみます。
暖かい地方(四国地方以西)や日当たりのいいベランダや軒先など、霜の降りない暖かい場所なら屋外でも冬越しができる場合も多いので、何株かある場合は屋外と屋内で育ち方の違いをテストしてみるといいでしょう。
収穫・保存
いつでも収穫したいときに、葉の緑の部分を切り取って使います。株元10cmぐらいを残しておけば、また新しい葉が次々と生えてきます。
葉が茂り過ぎた場合は、株分けの時と同じように株元15cmぐらいのところで刈りとりましょう。
葉はさっと洗ってから(散水ホースのシャワーを使うと便利)、タオルなどで水気をふき取って室内で乾燥させます。長いままにしてクラフトなどに使う予定がない場合は、あらかじめハーブティーに適した細かさにカットして乾燥させると、より速やかに乾燥できます。長いまま乾燥させてから切り刻んで保存してもOKですし、使う前にカットしてもOK
利用法
○ ハーブティーに
さわやかなレモンの風味のハーブティー。疲労回復や、消化を助ける作用があります。ティーポットに生の葉を刻んで入れたり、長いままくるくるっと丸めて小さいリースにして入れても。
お湯500mlにレモングラスの葉2〜3本ぐらいを用意します。沸騰したてのお湯を注いで、5〜7分ほど待って、色と香りが十分に出てから飲みましょう。
アイスティーにする場合は、レモングラスを多い目に加え、時間も10分ほどおいて濃いティーを作り、グラスに氷を満たして注ぎます。
こちらも参考にして下さい
○ 料理に
東南アジア系のスープや煮込みに良く合います。ナンプラーやにんにく、唐辛子、コリアンダーと特に相性◎です。
○ ビューティー
お風呂に入れると、殺菌作用があり、疲れを癒してくれます。粗く切り刻んで目の細かい洗濯ネットや、キッチンの水切り用ネットに入れて利用してもいいでしょう。
○ コースターに
葉で、コースターやテーブルセンターを編んで、涼しげなインテリアに。香りがすばらしい!
こちらもご覧くださいね。
○ リースに
生の葉を20本ほど束ねて輪ゴムでくくり、三つ編みにしながらリース状に丸め、ワイヤーでとめてレモングラスのリースに。飾りを付けても素敵。そのまま飾りながら乾燥させます。
こちらをご覧下さい。

ワンポイント利用法

とうがんレモングラスのスープ

残暑の厳しいこの季節。夏の疲れが胃腸にもでがち。身体の熱を取り去るとうがんとくず粉を使ったスープに、熱帯地方原産のハーブ、レモングラスでさわやかな風味をつけたら、おいしさプラス消化も助けてくれます。しょうがのピリッとした辛みが食欲を刺激するので、夏バテ気味のときにぴったり!

■ 材料(4人分)
  • とうがん ・・・約250g
  • レモングラス ・・・約20g(長い葉を2〜3本)
  • しょうが ・・・約40g(うち1/3は針しょうがにする)
  • えび ・・・中くらいのサイズのものを12尾
  • くず粉 ・・・大さじ2
  • ナンプラー ・・・約大さじ3
  • 水 ・・・1500cc

フレッシュ(生)のハーブS&Bでも取り扱っています。


【作り方】
  1. とうがんは皮をむき、5mm程度の厚さで、食べやすい大きさに切る。レモングラスは5㎝程度の長さに切りそろえる。ショウガは、きれいに洗って、2/3を皮ごと薄切りに。残りの1/3は、細かい千切りに(針しょうが)。えびはからと尾、背わたを取り除く。
  2. 鍋に水を入れ、とうがんを加えて、透き通るまでゆでる。
  3. 2にレモングラス、薄切りのしょうがを入れ、5分ほど煮る。
  4. 3にナンプラーとえびを加えて色が変わるまで煮る。
  5. 4に水で溶いたくず粉を加えてとろみをつけ、器に盛って針しょうがをのせる。
ワンポイント
  • レモングラスは、スープに風味が付いたら一部を残してあとは取り除くので、あまり細かく刻んでしまわないように。
  • ナンプラーの塩分は、製品によってまちまちなので、味見をしながら加える量を加減する。
  • 辛みをつけたい場合は、唐辛子を1〜2本加えて煮るか、できあがりに好みで唐辛子粉を振る。

ハーブな暮らし

秋の種まき

あんなに暑かった夏も、お彼岸を過ぎるとにわかに涼しくなってきます。さあ、ハーブのたねまき!秋バージョンの時期です。

種は、春と秋にまくことができますが、コリアンダー、チャービル、ディルなど耐寒性のある一年草のハーブは、秋まきにして冬の間にしっかりとした苗に育てておくと、春早くから枝葉を大きく茂らせるので、開花して枯れるまでに、長期間たくさん収穫して利用することができます。
種まきの時期は、その種子の発芽適温によります。種子の袋に適温が示されているのでそれに従いましょう。適温さえ保てれば、いつでも発芽させることができますが、その後の生育に適した気温が必要です。

注意:バジルやナスタチウムなど、発芽適温が高く耐寒性もないハーブの場合は、春まきに。ナスタチウムは春まきか、発芽させた後に室内で越冬できます。


【種まきの方法】

  1. 種まき用土は、病原菌や肥料分を含まないものを用意する。
  2. 鉢や育苗箱、ポリポットなどにピートモスと細かいタイプのバーミキュライトを1:2ぐらいの割合で混ぜ合わせ、水で十分に湿らせたものを入れる。
  3. 大きな種は一カ所に2粒ぐらいずつ点まきにし、小さな種はあらかじめ土に線を引いて置いたところに筋まきにするか、重ならないようにばらまきにする。
  4. まき終えたら、上からうっすらと土をかぶせ、そっと押さえておく。
  5. 発芽までは土を乾かさないようにするが、強い雨が当たったり、じょうろなどで激しく水をまいたりすると種が流れてしまう。霧吹きで湿らせる、種床に新聞紙や白色の寒冷紗をかぶせておき、その上からそっと水まきをする、などの工夫を。
  6. 発芽が揃ったら、間引きながら育てる。しっかりとした苗に育ったら、適当な場所に定植する。

*ワンポイント*

ディル、フェンネル、ボリジ、コリアンダーなど、移植を嫌うハーブもあります。種が大きく移植を好まないものは、あらかじめ土作りをしておいたプランターや庭にじかまきにして、間引きながら育てるといいでしょう。その場合、種を直接まく一番上の部分の土には、1)の種まき用土を。


ハーブ写真講座4 まとめ

今までお届けしてきた、ハーブ写真講座。今回は全体のまとめです。デジカメでも一眼レフでも、基本は同じ。基本を身につけて、素敵なハーブの写真を撮りましょう。

【写真を撮る際のキーワード】

1. モチーフ(被写体)
当然、魅力的な被写体を選ぶ。


2. 光を味方に付ける
きれいな写真は、逆光、半逆光で撮る。レフ板も活用。 露出補正をもっと使おう(+補正とー補正)。
*詳しくはこちら

3. フレーミングに工夫を
ファインダーを覗いたときの見え方、画面の切り取り方にセンスが現れる。
液晶ファインダーよりも、覗くファインダーで。
*詳しくはこちら


4. アングルを変えてみる
アングル(カメラを構える角度と方向)をいろいろと変えてみる。思いがけない表情がでたりする。


5. ズームレンズを効果的に使う
ただ単にズームするだけでなく、広角と望遠、レンズの特性を知ろう。
広角(例24mm)望遠(例200mm)では、ピントの合う場所も、写る範囲も、ぼけ方も違う!
*詳しくはこちら


6. 絞りを変えて撮ってみる
カメラの「絞り優先モード」(シャッター速度はオートで決められる)を使って、絞り値を工夫する。
全体くっきり〜ぼけ味まで、描写が変えられる。
*詳しく8月号のガーデニングのぺージを見てください。


* さー、あとは、たくさん撮って、慣れるだけ。カメラの機能をもっと使いこなして、自由な表現にチャレンジしましょう!

【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子 【料理アシスタント】吉田雅紀子、吉川和美

  スパイスとハーブはS&B