園芸好き必見!毎月新しいハーブをピックアップして、育て方と活用方を紹介する《育てるハーブ》と、その月のハーブの世話、今やりたいハーブを使った楽しいアイディアをご紹介する《ハーブな暮らし》がメインメニュー。榊田ガーデンをお伝えするお馴染み《ハーブガーデン便り》も必見。定番の【ハーブ園芸基礎講座】も要チェックです。

灼熱の夏を乗り切るために
地球温暖化のせいか、近年の夏の暑さは異常ともいえるほど。しかも日本の夏は、長い梅雨の後にやってくるため、長雨で根腐れ寸前までいった植物が、今度は灼熱の太陽に照らされるわけですから、ハーブも青息吐息です。愚痴っていても仕方がないので、なんとか夏を乗り切る工夫をしましょう!

春の庭の

育てるハーブ

バジル

  食用ハーブの中でナンバーワンの人気を誇るバジル。独特のスパイシーで甘みのある香りが万人に愛されるようです。近年のように多種類のハーブが出回る前から、イタリア料理のパスタや前菜に使われ、知名度が高かったのもバジル人気の秘密。
  消化促進、抗菌作用がある葉はオリーブオイル、チーズ、トマト、ナス、にんにくとよく合い、肉や魚をおいしくします。また薬用としては、葉の汁を肌にこすりつけると、虫さされのかゆみ止めと蚊よけになるといわれます。乾燥葉に熱湯を注いで蒸気をたて吸入すると、頭痛を和らげる作用も。
  イタリア料理に欠かせないスイートバジルの他に、赤紫の葉色が美しいダークオパールバジルや、ルビンバジル、タイ料理に使われるタイバジル、レモンの香りがさわやかなレモンバジル、細かい葉がブッシュ状に茂るブッシュバジルなどがあります。

ラベンダー
育て方
種まき・苗の植え付け
○種まき
スイートバジルは一年草で簡単に発芽するので、プランターに種をまくほうが苗を買って育てるより、たくさん収穫できて経済的。発芽適温が高いので春、ソメイヨシノの散った後ぐらいに種をまく。発芽が揃ったら、丈夫な芽を残すように間引くのをくり返し、最終的に15センチほどの株間を空ける。間引いた芽や苗は料理に使える。
○苗の植え付け
種まきが苦手ならば、苗を植えるのが一番簡単。買ってきた苗でも、種から育てた苗でも、屋外への定植は5月に入って遅霜の心配がなくなってから、日当たりのいい場所に。ふかふかとして柔らかく、肥沃で水はけの良い土に、有機配合肥料などの元肥を埋め込んで定植。2週間に1回ほど液肥を与えましょう。
育て方
生長期には枝先を、水を入れたコップに生けておくだけで一週間ほどしたら根が生えてくる。根が出てきたら鉢やプランター、庭に定植。
  • バジルは主に柔らかい葉を食べる草本ハーブなので、セージ、タイム、ローズマリーなど、小低木の固い葉のハーブと違って、肥料は多めに与えて。有機肥料の液肥を施したり、油かすなどを根元に埋め込むといいでしょう。
  • 栽培環境は、とにかく日当たり重視で。日陰や室内では、株が健康に育ちません。
  • 20㎝ぐらいに育ったら、葉を4〜5枚残して摘心(新芽の部分を摘み取ること)しましょう。摘心したところから枝分かれして、がっしりとした株に育ちます。
収穫・保存
花芽があがってきたら、収穫を兼ねて株を1/3くらいの高さに刈り込み、新しい枝を出させるようにすると、長期間収穫できます。
葉だけを摘んでいると、バランスが悪くなってしまい、早く枯れてしまいます。
*花が咲いて種をつけると一年草のサイクルを終えて枯れてしまうので、収穫を続けるためには花を咲かせないのがポイントです。
  • バジルの葉は乾燥保存に向かないので、「ワンポイント利用法」のようにオイル漬けにするのも一案。オリーブオイル、ニンニク、松の実、塩と一緒にミキサーにかけて、「バジルペースト」を作り、瓶に入れて冷凍保存すれば、一年中バジルの料理が楽しめます。
  • 質感は変わってしまいますが、葉を洗ってジッパー袋に入れ、冷凍保存しても香りは保てるので、炒め物、スープ、煮込みなどに便利。
利用法
  • 魚介やベーコン、にんにく、トマトなどとパスタに。
  • 豚肉や牛肉の薄切り肉で巻いて、フライパンで焼くバジルロールに。
  • トマトとモッツァレラチーズではさみ、塩・こしょうしてオリーブオイルをかけるイタリアンな前菜に。
  • バジルペーストをさまざまな料理のアクセントに。そうめんのつゆに加えても意外なおいしさ!
ワンポイント
  • 室内で越冬できる観賞用のアフリカンブルーバジル以外は一年草として扱い、花が咲いて株が枯れたら抜き取ります。アフリカンブルーバジルは室内で越冬させましょう。
  • 軟腐病にかかる事があります。突然バジルの枝先がしおれて腐ったようになってしまったら、病気を疑って。その場合は苗を抜き取って生ゴミとして捨てるか焼き捨てます。プランターの土も替えなければなりません。

ワンポイント利用法

バジルのオイル漬け

■ 材料(約200mlのガラス瓶)

  • バジルの葉 ・・・約20枚
  • オリーブオイル ・・・100ml〜150ml
  • とうがらし(タカノツメ) ・・・1個

【作り方】

  1. バジルの葉は水でさっと洗い、水気をよくふき取る。
  2. きれいに洗って熱湯で消毒した瓶に1を入れ、オリーブオイルを瓶の口まで注ぐ。
  3. とうがらし(タカノツメ)を入れて瓶を密閉する。

*保存は冷蔵庫で。オイルを使って量が減り、中のバジルが空気に触れるとカビが生えるので、バジルも一緒に利用して。約2週間以内に使い切りましょう。

<バジルオイルを使った応用料理>
ホタテ貝のカルパッチョ、キュウリとバジルのソース

【材料と作り方】

  1. ホタテ貝は薄切りにして、皿に並べ、塩こしょうを振りかける。
  2. キュウリを皮ごとすり下ろし、塩こしょう、砂糖、リンゴ酢(または米酢など)で味をつけソースに。
  3. 1に、2のソースをところどころにかける。
  4. 3の全体に、バジルオイルを振りかける。
  5. バジルの葉をあしらってできあがり。

ハーブな暮らし

ハーブの夏越し

ラベンダー、タイム、セージ、ローズマリーなど、比較的涼しい地域に自生するハーブにとって、高温多湿の日本の夏は辛い季節。でもレモングラスやバジルなど東南アジア原産のハーブは、元気いっぱいです。

ハーブの花盛りの季節も過ぎ、暑く蒸し蒸しした夏がやってきました。熱帯地方のハーブを除き、寒さで枯れることは比較的少ないのですが、梅雨の長雨や、その後に続く暑さで毎年枯れるハーブが出てきます。
そんな厳しい夏を少しでも楽に乗り切るためのアイディアをご紹介します。


【日差しを遮る】

真夏の直射日光、特に西日を遮るだけで大分ましになるので、ベランダの場合は、ヨシズなどで日陰を作るのも一案。
庭植の場合、あらかじめ暑さに弱いハーブは、半日陰になるところに植えておくという手もあります。ただし、ラベンダー、タイム、セージ、ローズマリーなどのハーブはどれも日当たりを好むので、真夏以外は十分な日差しが必要でもあるのです。素焼き鉢に植えて、暑さがきつい時期だけ木陰に移動すればベストです。


【水はけ、風通しをよくする】

暑さに弱い、とひと言でいいますが、湿気も大問題。水はけのよい場所(土)に植えて風通しよく保てば、日差しが強くても大丈夫な場合も多いのです。

鉢の素材は素焼き鉢が一番。根に酸素を取り込みやすく、素焼き鉢が土の温度調節もしてくれます。ただし、土をいっぱいに入れるとかなりの重量になるので、体力と相談して臨機応変に。


【真夏の水やりは早朝か、夕方日が陰ってから】

やはり真夏は、水やりが一番のキーポイント。やり過ぎは株を弱らせますが、朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと水をやっておくと、暑い日中も元気を保てます。

日が昇って暑くなり出してからの水やりは、根を傷めます。また、日中強い日差しの中で水やりをすると、葉がやけどをしたようになり、植物を弱らせます。水やりはタイミングよく行いましょう。土の表面が濡れるだけでなく、根元にしっかりと水がしみこんでいることも大事なポイントです。
朝早くに水やりができない場合は、夕方涼しくなってから、たっぷりと与えておけば大丈夫。

ハーブ写真講座3 絞り

コンパクトデジカメでも、本格的な一眼レフでも、大切な「絞り」についてのレクチャーです。絞りは、写真の表現に大きく関わってくる大切な要素です。 絞りをマスターすれば、きれいなぼけ味のある写真が撮れる!

絞りとはレンズの中を光が通る、穴の大きさを表す言葉です。F2.8とかF16というように表されます。
絞りは、数値が小さいほど穴は大きく、数値が大きいほど穴は小さくなります。
「F2.8」と「F16」では、「F2.8」の方が穴が大きく、その分光を多く通し、一方「F16」では穴は小さく、光は少ししか通りません。
*「開放値」というのは、そのカメラの一番絞りを開けられる値のこと。「絞り全開」の値です。

《描写の違い》

○絞り値を小さくすると部分を強調した表現に
絞り値が小さいほど被写界深度(ピントが合う前後の範囲のこと)が浅く、ピントが浅く合うので、ピントを手前に持ってきた場合、後ろがぼけやすくなります(→ 参考画像は絞り値2.8)。
この効果を利用すると前後がぼけて、強調したい部分だけがピントが合い、くっきりと浮かび上がるような表現ができます。


○絞り値を大きくすると全体をくまなく訴える表現に
絞り値が大きくなると被写界深度は深く、ピントが前後に深く合うので、ピントを手前に持ってきた場合でも、後ろの風景がかなりはっきりと写り込みます(→ 参考画像は絞り値16)。
この効果を利用すると前後にピントが合う範囲が広がるので、多くの要素をはっきり伝えたい時や、全てをまんべんなく表現したい時に使います。

ちょっと一言

  1. カメラの「絞り優先」モードにすれば、表現したいシーンに応じて、絞り値だけを自分で選ぶと、あとはカメラが自動的にシャッター速度を判断してくれます。
  2. 絞り値が大きくなると、レンズに穴が小さくなり、レンズに達する光が少なくなるので、シャッター速度が遅くなります。特に曇天や夕方などは手ぶれしやすくなるので、注意が必要です。一般的に、シャッター速度が1/60秒以下になると、手ぶれしやすくなるので、三脚を使って写しましょう。

【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子

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