園芸好き必見!毎月新しいハーブをピックアップして、育て方と活用方を紹介する《育てるハーブ》と、その月のハーブの世話、今やりたいハーブを使った楽しいアイディアをご紹介する《ハーブな暮らし》がメインメニュー。榊田ガーデンをお伝えするお馴染み《ハーブガーデン便り》も必見。定番の【ハーブ園芸基礎講座】も要チェックです。

夏のハーブ仕事・・・水やり、草取り、収穫
梅雨も明け、いよいよ夏本番。これからは東南アジア原産のレモングラスやバジル、中南米原産のとうがらし類など、夏に強いハーブの季節。ハーブの庭仕事も夏バージョンです。水やり・草取り・収穫をチェック!

春の庭の

育てるハーブ

スイートマジョラム(マジョラム)

  マジョラムは、オレガノの仲間。ワイルドマジョラムと呼ばれるオレガノに香りと姿が似ていますが、オレガノよりも繊細な、甘味を感じさせる香りがします。ワイルドマジョラムと区別するために、スイートマジョラムとも呼ばれます。原産地は地中海東部沿岸とされ、イタリア料理やフランス料理に欠かせないハーブ。ブレンドハーブの「エルブ・ド・プロヴァンス」の材料にもされます。生でもおいしく、乾燥しても香りが失せないのが長所。肉、魚、チーズなど様々な料理に使われますが、特にトマト、ニンニクなどと相性がいいようです。ティーは、神経を静め、消化・整腸作用もあります。
  その歴史は古く、古代エジプトでは、ミイラを作るときの防腐剤に加えられ、古代ギリシャでは、香水、化粧品、薬剤などに利用されました。中世では、ストゥルーイングハーブとして床にまいたり、いい匂いのする家具のつや出しに使うなど、家事に巾広く利用したといいます。
  近縁種に、耐寒性の強いポットマジョラム、葉が小さめで香りの強いシリアンオレガノ、花のかわいいオレガノミクロフィルム、ワイルドマジョラムとの交配種のイタリアンオレガノなどがあります。

ラベンダー
育て方
種まき・苗の植え付け
○種まき
早春に暖かい室内で早めに種まきをするか、八重桜の咲く頃、屋外のプランターなどに種をまき、間引きながら苗を育てる。
細かい種子なので重ならないように注意してまき、土をかぶせすぎないようにしましょう。
○苗の植え付け
日当たりと水はけのよい、乾燥した場所に植え付けます。地中海性気候を好むので、夏の高温多湿は苦手。春の早いうちに定植し、梅雨までにしっかりと根を張らせるのがコツです。
育て方
  • 本来は日当たりが好きですが、暑くてじめじめした夏の間に枯れてしまうことが多いので、盛夏は半日陰の、なるべく涼しい場所で育てましょう。
  • 水やりは、鉢の表面が乾いてからたっぷりと。やりすぎに注意。
  • 枝が混み合ってくると蒸れて枯れやすくなるので、収穫を兼ねて刈り込むと健康に育ちます。
収穫・保存
  • 日常的に使う場合、枝先だけでなく、株もと4〜5cmぐらいのところから枝を間引くようにカットしましょう。
  • 花が咲き始めた頃がドライハーブ用に収穫する最適期。株もと4〜5cmぐらいの場所から、思い切って刈り込んでも大丈夫。刈り込んだ後は半日陰の涼しい場所で休養させるといいでしょう。
  • フレッシュハーブは、そのつど摘んで使うのが一番ですが、冷凍保存もOK。洗って水気をふき取ったマジョラムを枝ごと、または葉だけを冷凍用ファスナー袋に入れて保存。使う時は冷凍のまま使います。
  • 乾燥保存する場合も、さっと洗って水気をふき取り、ざるや紙箱に並べて風通しのいい室内で、なるべく短期間で乾燥させます。完全に乾いたら、虫や湿気を防ぐためガラス瓶やセロファン袋で保存。
利用法
○肉料理や魚料理の風味付けに
  • 塩こしょうをすり込んだチキンの骨付きのもも肉の皮と身の間にマジョラムの葉とニンニク、塩こしょうを挟み、フライパンやオーブンで焼き上げる。
  • 塩こしょうをふった白身魚の切り身の真ん中に切れ目を入れてポケットのようにし、チキンと同じように挟み込み、表面に小麦粉をまぶしてオリーブオイルで焼く。
  • トマトソースやスープには、枝付きのまま入れて香りを付け、後で取り除いてもいい。
○ハーブティー
  • ミントやレモンバームとブレンドして、ハーブティーに。消化を助け、神経を静めて、眠りにつきやすくする
    ※注意:*妊娠中は、マジョラムのティーは控えた方が安心。

ワンポイント利用法

グリッシーニの生ハム巻きニョロニョロ風
グリッシーニに生ハムをくるくる巻いて、ところどころにマジョラムの葉を挟んだら、「ムーミン」に出てくるニョロニョロみたいになりました!パーティーにぴったり。

■材料(2人分)

  • グリッシーニ ・・・4本(長いタイプのものは、2本を半分の長さに切る)
  • 生ハム ・・・2〜4枚(大きさに応じて)
  • マジョラム ・・・約8枝
  • パン ・・・田舎パンのようなパンを3cm の厚さに輪切りにしたものを1枚

作り方

  1. 生ハムは2cm程度の幅に切り分けて、こしょうを振りかけておく。
  2. グリッシーニに1の生ハムをらせん状に巻き付ける。
  3. グリッシーニと生ハムの間のところどころに、マジョラムの葉(枝先が使いやすい)を挟み込む。
  4. 田舎パンなどのナチュラルなパンを輪切りにして、3のグリッシーニをさして立てる。

ワンポイント

  • グリッシーニに、クリームチーズを塗って、生ハムを巻いてもおいしい。
  • 生ハムは乾きやすく、マジョラムもしおれてしまうので、作ったらなるべく早く食べましょう!

ハーブな暮らし

夏は水やりと草取り、そして収穫

  夏の間は、とにかく水やりがハーブな暮らしの大きなウエイトを占めます。それと、まめな草取り。そして、何よりどんどん収穫して使うことが今回のメインテーマです。

《水やり》

1.タイミング
・水やりに限らず、「植物の顔を見て育てる」ということが何よりも大切。
鉢植えの場合、土の表面が一見乾いているように見えても、葉の色つやが良く生き生きしているならば、まだ水をやらなくていいことが多いのです。鉢の土の中に指を差し込んでみると水分が残っているのがわかります。土の表面がからからに乾いて、葉も少ししんなりとしている感じがしたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
庭植えは地面に根を張り、水分を吸い上げているので、ハーブがしゃきっとしているならば、水やりは控えめに。

2.方法
・シャワーヘッドがついた散水ホースやじょうろが一般的。水の勢いで植物が傷まないように、水の向きは上を向けて、ふんわりとかかるように。
・ハダニなどを防ぐには葉に水をかけることも大切だが、枝葉にばかり水がかかって、根元の土が湿っていないことも多い。地面にじっくりと水を浸みこませることがポイント。

3.時間帯
・盛夏は、朝夕の涼しい時間帯に、たっぷりと与えます。太陽が昇ってから水やりをすると、葉がやけどしたようになったりして良くない。朝早く水やりをできないときは前日、日が落ちてからたっぷりと水やりしておくと夕方まで活き活きとしています。
ハーブ園芸基礎講座も併せてご覧下さい。

《草取り》

・とにかく草の芽が小さいうちに抜き取る。草の表面だけを引っ張らずにミニ草刈りかまなどを使って、根から抜き取ることが大切です。
・草が種子を結ぶ前に抜き取らないと、種が落ちて次の年は数百倍の芽が出ると覚悟して、それまでには抜き取るようにがんばりましょう!

《収穫・剪定》

ハーブの薬効が一番高くなるのは、花がついて開花しはじめる6〜7月頃です。生のハーブは生育期間中、随時摘み取って使えばいいですが、乾燥させて保存する場合はこの時期に。

*多年草*
チャイブ、オレガノ、タイムなどの多年草は花を見たい場合、すっかり刈りとってしまわずに、枝をすかすように収穫。花後はなるべく早く収穫・剪定を。

*低木*
ローズマリー、ラベンダー、セージなど低木のハーブは、基本的に開花後、なるべく早く収穫・剪定を。種をつけると元気がなくなるので、種子を採る場合以外は早めに剪定を済ませましょう。

*一年草・二年草*
コリアンダー、バジル、ディルなどの一年草は、生育期間中、2〜3回まとまった収穫ができる。バジルは蕾がつき始めたら、地面から15センチ程度のところで刈りとるように収穫。
パセリ、フェンネル、チャービル、ディル、コリアンダーなど、セリ科のハーブは外側の葉を摘み取るように収穫。中心部は残す。花芽があがってきたら、花を咲かせないように、中心部も摘み取る。

*種子の収穫
花が咲いて種子をつけたら枯れ死するので、株は抜き取ってしまってかまわないが、種子を採る場合は、完熟する少し前に枝ごと切り取り、紙袋などをかぶせて室内に吊り下げて追熟しながら乾燥させる。

【文・スタイリング・制作】榊田千佳子 【撮影】タケダトオル、榊田千佳子

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