フレッシュハーブが少なくなる秋から冬。でも、ちょっとだけでも摘みたてハーブを使いたい。そこで、日当たりのいい軒下やベランダでチャービルとディル、ミントを育てましょう。


別名:セルフィーユ /学名: Anthriscus cerefolium /分類:セリ科・シャク属/高さ:草丈20〜60cm/一年草/開花期:5〜7月/性質:半耐寒性性
チャービル

 繊細で柔らかな葉は、さわやかなアニスのような香りがして、さまざまな料理に合う。中でもフランス料理には欠かせない。フィヌゼルブ(フレッシュハーブのミックス)の中の一種。サラダ、ドレッシング、スープに入れたり、卵に混ぜ込んでオムレツにしたりする。和食にも無理なく合うハーブ。
 生葉のティーには身体の浄化作用、血行促進、消化促進の作用があるといわれる。ティーはまた、スキンローションにもなる。

 
種は比較的大きくてまきやすいが、発芽率が悪いので、多めにまくようにする。移植を嫌うので、プランターや鉢に直まきにして、間引きながら使うといい。
春まきにするとすぐに花が咲いてしまい、収穫期間が短くなってしまうので、秋まきか、2月頃に室内で種まきをして、暖かくなってから戸外に出すと長く収穫できる。

直まきが基本だが、苗を購入した場合は、霜の心配がなくなってから戸外に植える。土はやわらかく、保湿性のある肥えた土を。腐葉土を多く漉き込むといい。

繁殖は、種まきで。


チャービル
セリ科の植物は、新芽が株の中心から育つので、葉の収穫は外葉から切り取るように。種をたくさんまいて密植した場合は葉が茂ってきたら、株元3〜4cmぐらいのところから刈りとってもかまわない。またすぐに新芽が伸びてきて収穫できる。
花を咲かすと種をつけて枯れてしまうので、とう立ちしてきたら株元近くからの収穫を繰り返す。

耐寒性はあるが、霜に合うと葉が傷む。その場合も春になると新芽がでてくるので心配ない。軒下がちょうどいい。

  半日陰で育てた葉は柔らかく、香りも風味もいい。夏の暑さを嫌うので、半木陰などに鉢を移動するといい。風通しのいい場所で育てる。



学名:Anethum graveolens /分類:セリ科・イノンド属/高さ:草丈80〜120cm/一年草/開花期:5月〜7月/性質:半耐寒性

 かすかな辛みと独特の香りが他のハーブにはない風味をかもし出す。フェンネルによく似た姿だが、フェンネルよりも枝葉は青みがかり、柔らかい。スカンジナビア料理には欠かせないハーブで、魚介類、ジャガイモ、卵と特に相性がいい。サーモンにぴったりのハーブ。クリームチーズに混ぜるとおいしい。
 花付きの枝葉と種子をビネガーに加えて野菜とともに漬け込んだピクルスは、ディル風味のピクルスとして広く愛されている。
 全草に鎮静作用があり、葉と花、種子のどの部分もティーとして飲むと、胃の不快感や腸内ガスを減らすとされる。

ディル
暖かい地方では秋まきに。秋まきにした方が収穫期間が長くなる。春まきにする場合は、2月の下旬ぐらいに、室内で発芽させると早く苗にすることができる。
移植を嫌うので、プランターや鉢に直まきにして、間引きながら育てる。間引いた苗も利用できる。

苗を買ってきた場合は、霜の心配がなくなったら、水はけの良い土に植える。
背が高く育ち、倒れやすいので、20〜30cmぐらいに育ったら、早めに支柱を立てる。
乾燥を嫌うので、水切れをおこさないように気をつける。

一年草なので、種子をまいて育てる。

ディル
セリ科のハーブは、内側から新芽が育つので、外側の葉から収穫していく。花芽がついてとう立ちすると葉が固くなる。また、種子を結ぶと枯れてしまうので、葉を利用したい間は、花芽を摘み続けるように。
種子は、色づき始めたところで枝ごと切り取り、室内で追熟させながらしっかりと乾燥させる。種子の収穫は、晴れた日に。

  フェンネルのそばで育てると交雑しやすい。




学名:Mentha spp. /分類:シソ科・ハッカ属/高さ:草丈20〜50cm/ 多年草/開花期:8月〜9月/性質:耐寒性

 すっきりとしたメントールの香りが特徴的なミント。葉と花のさわやかな香りと清涼感のある風味を生かし、料理や菓子のアクセントに使われる。なかでもスペアミントはマイルドな味わいが好まれる。アップルミント、パイナップルミント、オーデコロンミント、ジンジャーミントなども人気。
 品種によって葉の色や形、香りが多少異なるが、どの種類にも消化促進と腸内ガスを減らす作用があり、ハーブティーにして飲むとおいしく効果的。さらにペパーミントには、殺菌・坑ウイルス・発汗作用があることが知られている。

ミント
種まきは可能だが、発芽して育った苗は香りに個体差が大きい。ミント同士は大変交雑しやすいため。苗を買ってきて育てるほうがいい。

  
強健なので、どんな土でも、半日陰でも良く育つが、反面はびこりやすいので、地植はあまり勧められない。地植にする場合は、農業用ビニールなどで土中に深い仕切りをする必要がある。鉢植えで育てるか、鉢植えのまま土中に植えるなどの工夫が必要。

  
水を入れたコップに挿しておくだけで、一週間ほどで発根する。発根したら土に植え替えるだけ。

ミント
ミントは枝先の新芽をデザートなどの飾りとして使うことが多いが、枝先だけを摘み続けると、草姿が乱れるだけでなく、枝が細く弱々しくなり、病気などにもかかりやすくなる。収穫するときは株元5cmぐらいのところから切り取るように。そうすると、太い元気な枝が再生する。

枝葉が混み合って風通しが悪くなると、さび病などにかかりやすくなるので、剪定を兼ねて収穫し続けることが肝心。

寒さに非常に強いので、冬越しは容易。一鉢、室内に取り込んでおけば、冬期もフレッシュな葉を使うことができる。

  こぼれ種が発芽した苗は交雑していることが多い。香りの良くないミントが生えていたら、抜き取る方がいい。



文・撮影:榊田 千佳子