今回は、ハーブに注目するちょっと意外な業種が登場。以前に京都の和風企業の異業種交流会「京都和座百衆」のイベントに参加したことや、ハーブを使ったお香や、ハーブ染めの着物の商品開発に携わった経験を元に、ジャパニーズなハーブの使われ方を紹介します。
 数年前、和の関連企業が集まった異業種交流会のイベントがあり、「ハーブ・香り」の助っ人として参加しました。染色、織物、陶芸、和風小物、茶業、鋳物など、さまざまな和風の企業の方々が、従来の商品に香りを取り入れてみたいというのが、お誘いを受けた理由です。
 染色業の会社からはあでやかな着物地を、お茶の会社からはとても珍しいお茶の花と実、葉の乾燥させたものを提供いただきました。

 その時の作品の代表的なものは、京友禅の着物地を用い、中心の花芯に匂い袋用のお香の粉を入れた、たくさんのスイトピーの花。ピンクや紫系の着物地で作ったはんなりとしたスイートピーが、かわいいと評判で、近くによると、ふわっと香りがするのも魅力だったようです。
 
 また、ピンクと黄色のバラの花を基調として、オレンジやグレープフルーツなどの果皮とスパイス類を加えたポプリを、特製の大きなアルミの鋳物皿に盛ったものや、緑茶や番茶で染めたテーブルセンターなども、無理なくハーブと和のコラボレーションになっていたように思います。
 私自身とても興味深かったのは、お茶の花と葉、実を合わせたポプリ。乾燥させたお茶の花は、かすかにジャスミンに似たような、甘く穏やかな香りがします。それにさわやかな香りの茶の葉を合わせ、椿の実に似た茶の実をあしらい、香り高い宇治茶までブレンドしました。


 イベントにおいての、和風商品とのコラボレーションの例は、あくまでも、その期間中にお客様に興味を持ってご覧いただくのが目標でした。たとえ、それらの作品が人気だったとしても、商品化するに当たっては、コストや、生産性、耐久性、需要と供給とのバランスなど、考慮しなければならないことがたくさんあります。自分の楽しみのために少量作るのには何の支障もなくても、「売る」となると話は別なのです。
 その時トライした作品の中で、これは商品化できるのでは、と思ったのは、緑茶や番茶で染めた布です。お茶は鮮度と香りが命なので、古くなったものは破棄されているはずなのです。染め物に使うなら破棄されるもので十分なので、それを利用して布を染め、小物を作ったら、面白いと今でも思っています。
 緑茶は、ミョウバン媒染ではさわやかな黄色〜ベージュがかった黄色で、鉄媒染にすると、なんと、あずき色〜紫灰のような色になります。
 商品化されなくても、家庭で古くなったお茶で染めてみると楽しいと思います。絹、毛、ナイロンによく染まります。綿布は煮込むようにして染めますが、特別な下処理なしでは絹布ほど鮮やかに染まりません。
文:榊田千佳子.撮影:榊田千佳子他.イラスト:いまいかずよ
Copyright 2002-2003 S&B FOODS INC. All rights reserved.