ここで気をつけなくてはいけないのは、無理に組み合わせると本来の魅力を損ねてしまうということ。「和食に合うハーブは何でしょうか」と聞かれることがありますが、基本的には、和食に合うハーブは、前に挙げた、日本のハーブなのです。でも、意外にぴったりおいしい場合もあるので、トライする意欲は大事です。
 私が和食によく使うのは、チャービルとナスタチウム。チャービルはちょっとセリに似た香りで、マイルドな風味なので、和え物や吸い物、卵とじなどにも合います。ナスタチウムは、わさびに似た辛みが魅力。カブと塩もみにしたり、魚介類との酢みそ和えにしたり、吸い物にもぴったりです。花も和食に合うので、地味になりがちな和の食卓を明るくしてくれます。それから、チャイブはネギの仲間なので、遠慮なく和食に使ってOKです。

 以前にあったハーブ専門の月刊誌で、「ハーブを使ったおせち料理」をお正月特集に盛り込もう、ということになりました。私は京都風のおせち料理に慣れていないため、ハーブ教室の生徒さんに、京都の伝統的おせちをベースに、無理なくハーブを使っていただくメニューを考案していただいたのです。
 その時のおせちは、西洋のハーブを組み合わせたので不自然にならないか不安でしたが、撮影の日が来て、おいしそうに調理され盛りつけられたハーブおせちのあでやかさに、心配はなくなりました。そして、撮影後に試食させていただき、その味わいの新鮮さとナチュラルさに、感心したのです。
 その時のメニューをここに載せますので、何かインスピレーションを感じた方は、新年のお膳に加えてみてはいかがでしょうか。

○ゆず釜/ポットマリーゴールドと大根、ニンジンのなます
○ブルーベリー酒
○鯛の味噌漬ディル風味
○レモンバーム入り、海老しんじょうのお吸い物
○コリアンダーシードとごまのたたきごぼう
○豚肉の紅茶煮ローズマリーとタイムの風味
○チャイブ入りだし巻き卵
○味噌松風ポピーシードとクレソン風味
 本来ならば白ごまと山椒を使うたたきごぼうにコリアンダーシードを粉状にひいたものをを加えて風味を楽しんだり、味噌漬けにディルを刻んだものを混ぜ込んでおいたり、と工夫されていますが、どれもおいしいのが、ハーブを使った料理の大前提です。
※「和風に生かすハーブ第2回」は、ハーブのお香やハーブ染めの着物などの分野で、ハーブを和風に使う試みをご紹介します。
  文:榊田千佳子.撮影:榊田千佳子他
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