今月は、「アブラナ科野菜」について話しましょう。アブラナ科野菜には、キャベツや白菜、チンゲン菜などの葉菜類、ブロッコリーやカリフラワーなどの花菜類、大根やカブ、ワサビなどの根菜類、からしなどの種子類、そしてカイワレ大根などの新芽(スプラウト)類といった実に多くの食用野菜が含まれています。
 キャベツは、ジャガイモやタマネギと並んで世界生産重量における3大野菜の1つであり、アブラナ科野菜は主要な食用野菜と言っても過言ではないでしょう。それ故、スパイスやハーブのように薬用利用の歴史的背景は乏しく、むしろ食用のために広く用いられてきた野菜そのものだと言えます。

 
 では、食用中心であるアブラナ科野菜の機能性が、近年、何故注目されてきたのでしょうか。皆さんも、「ブロッコリー」や「ブロッコリースプラウト」(4月号の「楽しむハーブ」でも紹介されましたね)という言葉と「発がん抑制(またはがん予防)」という言葉を、メディアを通じて耳にした機会が最近多くはなかったでしょうか。

平成12年における日本人の死亡原因の第1位は悪性新生物(がん;30.7%)で、2位(心疾患15.3%)と3位(脳血管疾患13.8%)の死因を大きく上回っています。他の主要先進国も日本とほぼ同じ傾向です。ただ、米国で1990年に始まったデザイナーフーズ計画(食によるがん予防計画)は、これまで増加の一途を辿ってきたがんによる死因を、遂に昨年、減少傾向へと転じさせることに成功しました。遅ればせながら日本でも、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病等の生活習慣病の発病を予防する「健康日本21」をスタートさせました。この食によるがん予防の考えは、がん発生要因の3分の2が「たばこと食環境にある」というセンセーショナルな研究報告(オックスフォード大学)がきっかけになったと思われます。

 米国ではがん死の3分の1を減らせると試算し、タバコ由来のがん死を年間100万人、食環境由来のがん死を年間50万人減らすことを目標としました。例えば、タバコとアルコールの同時摂取は発がんのリスクを高めてしまうことや、タバコの副流煙の方に発がん物質などが数倍多く含まれることは、もはや周知の事実となっていますね。食環境の面でも、野菜、果物、豆類を多くし、飽和脂肪酸や塩、砂糖の摂取を減らして運動による体重コントロールを心掛けることが大事であるということを、皆さんはすでにご存じですね。
 
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