「ネギ属香辛野菜」と聞くと、すぐに「ニンニク、タマネギ、ネギ」等を連想されることでしょう。暑い夏が過ぎ少々疲れた体にとって、何とも食欲をそそる良いにおいと刺激、うま味やこくを醸し出してくれるスパイス達です。 
 ニンニクについては、今日では生だけでなく粉末や揚げチップにしたものまで安価に入手できるようになりました。また、農作物自給率の低い日本にあって、タマネギの生産高は世界第4位であることをご存じでしょうか?今やネギ属香辛野菜は、「生活必需スパイス」の1つと言っても過言ではないでしょう。

 ただ、人によってはニンニクやタマネギを忌み嫌う方がいらっしゃると思います。そういう方々が嫌う理由の大半は、この「におい」が「悪臭」以外の何ものでもないためと想像されます。そこで、ネギ属香辛野菜の利用法と健康維持に関する研究例を紹介し、さらに臭うスパイスの代表例であるニンニクへの決定的な対処法が、実は無いことについても簡単に述べたいと思います。



 ニンニクやタマネギは、他の多くのスパイス同様、古代から中世代にかけて主に薬用利用されていた植物です。東西の歴史的医書の記述にも、様々なニンニクやタマネギの効能が記されています。まさに、「医食同源」という言葉を地でいくスパイスです。

 その名残は世界各国に残っています。イタリアのニンニク産地では、現在でも虫さされにすぐニンニクを半分に切って、刺された部分に擦り付ける民間療法が行われており、またブラジルには「アホ(ajo;アホとはニンニクのこと)」という商品名のマニキュアまであります(爪がツルツルになる効果)。タマネギについても、欧州では小児喘息への民間療法として用いられていましたし、日本でネギは発熱時に利用されていました。実はこれらの生理機能が、ネギ属香辛野菜の持つあの独特な「におい」に関連する硫黄を含んだ物質(含硫化合物と呼ぶ)のお陰であることがわかってきています。

 そもそも私のネギ属香辛野菜に関する研究のスタートは、タマネギにより血液がサラサラする効果(血小板凝集阻害活性)についてです。学生時代に60kgもの生タマネギから、苦労して新しい機能性含硫化合物「ACシリーズ」を見つけ出すことに成功しました。大量のタマネギを切る実験姿を見た友人から、「カレー屋でも始めるのか」とよく笑われました。
 すでに、生ニンニクからも「アホエン」という物質が見つけられていましたが、双方とも微量であっても強力に血小板の凝集を阻害する物質であることがわかりました。タマネギやニンニクを食べることにより、血栓を抑制できる可能性を物質レベルで示すことができたのです。
 
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