「ハーブって全部食べられるんですよね?」こう聞かれることがよくあります。確かに香り豊かなハーブを料理に使うと、ぐっとおいしくなったり、防腐効果を高めたり、消化を助けたりと大活躍。でも、ちょっと待ってください。ハーブは食べられるものばかりではありません。
 *S&Bで扱っているハーブとスパイスは、すべて食用です。

 じゃあ、ハーブとは何か?簡単に言うと、「人々の暮らしに役立つ植物(草木、樹木、場合によってはしだ類、きのこ類などを含む)」。「原種に近い有用植物」とする場合もあります。世界中で二万種以上の植物が、人間の衣・食・住のあらゆる場面で利用されていて、暮らしを豊かにするのに役立っているそうです。

 それではにんじんや大根は?と聞かれると、この辺は微妙です。野菜類は栽培植物で、元々は野草だったのですが、突然変異や品種改良などを経て、より栽培しやすく可食部が多い植物に改良されたものなのです。


 「暮らしに役立つ」ということは、食用だけを意味するのではなく、亜麻(フラックス)のように繊維をとって糸にして、布に織り上げるものもありますし、紅花のように染色に利用するものもあります。また、センブリは食用にはできなくても和漢薬として重要ですし、ジャスミンのような香り高い花は、高級な香料の原料として欠かせないものです。

 また、西洋のものと思われがちなハーブですが、世界中どこでも、人間のいるところにハーブあり。インドにはインドのハーブがあり、中国には中国のハーブがあります。セリ、ミツバ、サンショウ、ミョウガなどは、立派な日本のハーブです。

 とにかくハーブは多彩で多才!いろいろに利用できるからこそ、その魅力は計り知れないのです。たくさんあるハーブワールドへの扉を、どれでもいいから開けて、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。



 ハーブ&スパイスというように、ハーブとセットにして扱われることの多いスパイスですが、ハーブとはどう違うのでしょうか。? 
 スパイスの本によると、「普通スパイスと呼ばれているのは、植物の芳香のある根や幹、つぼみ、種子、果実などを乾燥したもの」とあります。カレー粉の原料としておなじみのターメリックは根、シナモンは枝の内皮、クローブは花のつぼみ、フェンネルは種子、コショウは果実を乾燥したものです。もっとも最近では、スパイスとハーブの境界線はあいまいになっているようです。一般的に、スパイスは品質が長期間保たれやすいのが利点です。

 スパイス類は熱帯地方を産地とするものが多いので、昔のヨーロッパでは、スパイスがたいへん珍重され、高価で取り引きされました。引き出しや特製のスパイスラックなどに、鍵をかけてしまわれていたほどです。そして、香辛料としてだけでなく、薬や防腐剤として大切に使われました。

 現代の私達は、世界各国のスパイスを簡単に手に入れて使えるのですから、幸せなことです。エキゾチックな熱帯の国々に思いを馳せながら、さまざまに使ってみたいものです。


   
 
   
 
  文:榊田 千佳子.撮影:タケダ トオル.イラスト:いまい かずよ
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