研究開発:新しい価値の創造を通じて、豊かな食文化のお役に立ちたいというマインドに溢れた研究活動の一端を紹介します

シリーズ 香りを科学する その9 香りが風味を決める! ~カレーの香りで不思議な体験をしてみよう~

ハーブティーハーブティーはハーブの香りを楽しめるのが最大の魅力です。
特にフレッシュハーブでいれたハーブティーは、ハーブの香りがお湯の中に静かに溶け出しています。
今回は、“香りの水”とも言えるハーブティーを使って、香りの不思議な力を体験してみましょう。

 ハーブの香りでトマトの味に起きる変化を体験してみましょう

実験


(1)ハーブティー

1) きれいに摘み取ったスィートバジル、スペアミントの葉(市販の生ハーブでも可)をそれぞれカップに静かに入れる。

2) 1のカップに約150mlずつ熱湯を注いで3分ほど蒸らす。

3) それぞれのカップからハーブを取り出したのちに、室温まで冷ます。

※注意
今回の実験はフレッシュハーブの特徴的な香りを体験することが目的です。
そのため、ハーブの葉を切り刻んだりもんだりせず、そのまま使いましょう。
切り刻んだりもんだりしますと、“青臭い葉のにおい”が出てくる可能性があります。

 

(2)トマト

トマトを小さく切る (スプーンにのる程度の大きさにカットするのが目安)。

トマトをスプーンにのる程度の大きさにカット

<トマトを使った実験の前に・・・>
ハーブティーに香りがあることを確認してみましょう
(1)室温まで冷めたそれぞれのハーブティーを飲んでみましょう。
(2)次に鼻をつまんで、それぞれのハーブティーを飲んでみましょう。

(1)と(2)で違いを感じたでしょうか?
一般に、鼻をつまんで食べ物を口に入れると、のどから鼻に香りが抜けないため、香りを感じません。
(→香りを科学する9
そのため、(1)はハーブの特徴的な香りを感じ、(2)は普通の水のように感じるのです。

ハーブティーは、まさに“香りの水”なのです。

A: 小さく切ったトマトをひとつスプーンにのせて食べてみましょう。
 →トマトの味を書き出してください。

B: 小さく切ったトマトをひとつスプーンにのせ、スィートバジルのハーブティーに浸してから食べてみましょう。
 →どんな味がしたか書き留めてください。

C: 小さく切ったトマトをひとつスプーンにのせてスペアミントのハーブティーに浸してから食べてみましょう。
 →どんな味がしたか書き留めてください。

Aのトマトの味は、BとCで変わったでしょうか?

以下のような変化を感じたのではないでしょうか?
A: トマトの味
B: トマトの味がAより濃く感じた
C: トマトの味がAより爽やかに感じた

スィートバジルの香りの成分は、重厚な清涼感とほのかな甘さが特徴です。
トマトの味にこの香りが加わることで、濃さを感じるようになるのです。
一方、スペアミントの香りの成分は、甘さと爽やかさが特徴です。
トマトの味にこの香りが加わることで、より爽やかに感じるようになるのです。

どちらの味がお好みでしたか?


 

サンプルAとBに差を感じましたか

味の感じ方には、酸味や甘味だけではなく、香りも大きく影響しています。
トマト自体の香りにハーブの香りが適度に加わることで新しい香りが生まれ、その結果として、
「濃厚な味」や「爽やかな味」が作り出されているのです。

普段私たちが接している身近な香りも、新たな味の発見につながるヒントとなるかもしれませんね。

サンプルAとBに差を感じましたか