研究開発:新しい価値の創造を通じて、豊かな食文化のお役に立ちたいというマインドに溢れた研究活動の一端を紹介します

シリーズ 香りを科学する その5 香菜(シャンツァイ、パクチー) 名は体を表す ~香気成分の分布~

最近は、多くの方々に「乾燥ハーブ」のみではなく、「生のハーブ」を用いた様々なハーブティーで、フレッシュな香りを楽しんでいただけるようになってきました。

生で用いるハーブとしては、代表的なものにスペアミントがあります。
スペアミントの「スーッ」とした香りの代表的な成分は、「L-カルボン」と「リモネン」です。
「L-カルボン」はマイルドで甘い香りで、「リモネン」はミカンの皮をすりつぶした時に感じる香りです。
そこで、今回は2つの香り成分に着目して、スペアミントを用いたハーブティーの「香り立ち」を少しだけ科学してみます。

【香り立ちの測定に挑戦】 生のスペアミント4枝をポットに入れてから熱湯を200ml注ぎ、蓋をして3分蒸らします。
そして、蓋をあけて、スペアミントを用いたハーブティーから、どのように香り成分が飛び出してきているかを測定したデータをもとに、イメージグラフを描いてみました。

グラフをご覧いただくと、(a)蓋をあけた瞬間のラインの直後で縦に大きく伸びます。
この部分から、「リモネン」も「L-カルボン」も、ティーポットから、一斉に飛び出しているのがわかります。
そのあとの両成分の飛び出し方はグラフの通り異なり、そして、最終的には平衡状態になります。
このグラフからは、秒単位の短時間で、香り成分のバランスが絶えず変化していることが読み取れ、香りの質も秒単位で変化していることが示されています。
スペアミントを用いたハーブティーの香りが、いつも同じ香りのイメージに感じてしまうのは、このような瞬間的な香りの変化を、人は総合的に認識して、"香り立ち"というイメージを持ってしまうからなのかもしれません。
身近なところにも、不思議な現象は存在しているものですね。
【 おいしい、スペアミントを用いたハーブティーの入れ方 】