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シリーズおいしさを科学する その2 具材とカレーライスの味な関係 玉ねぎ編(1)

日本の国民食の一つに数えられるカレー。「子どもが好きなメニューランキング」(表1)にも、ここ3年間連続して1位を獲得しています。

子供が好きなメニューランキング

カレーライスに使う野菜のランキング(表2)を見ると、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもの順に登場頻度が高く、定番の野菜といえるでしょう。使う野菜によってもカレーの味わいが変わりますね。

カレーライスの野菜材料の登場順位

こちらでは、材料の切り方や炒め方によるカレーの味の違いを科学的な視点でご紹介します。
まず、ランキング1位の玉ねぎによる味の違いを探ってみましょう。

切り方によって、できあがりのカレーソースの味はどのように異なるのでしょうか。

玉ねぎをひと口大(縦横2~3cm角)、みじん切り(約3mm角)に切ったもので、煮汁について比較してみます。

ひと口大

みじん切り

切り方による味と成分の違いを比べてみると・・・

グラフ1は、甘味、酸味、旨み(うまみ)ついて、 ひと口大に切った玉ねぎの煮汁と比較して、みじん切りにした玉ねぎの煮汁の味をどう感じるかを表したグラフです。 みじん切りにした玉ねぎのほうが、甘味、酸味、旨みともに 、ひと口大に切ったときより若干強く感じる傾向にあります。

グラフ2は、それぞれの煮汁の代表的な味成分を分析した結果です。

グラフ1 グラフ2

ひと口大、みじん切りそれぞれに刻んだタマネギ100gに、400mlの水を加えて弱火から中火で20分間煮込み、最終的に300mlに合わせて、これを漉した汁についての結果

結果として、みじん切りにした煮汁はひと口大に比べて、各成分が1.5倍ほど多くなりました。
みじん切りにすると、表面積が大きくなり、 味の成分が煮汁に出やすくなっていると考えられます。
また、香りの分析にも登場したガスクロマトグラフという機械で、煮汁の成分を分析すると次のグラフ3の結果になりました。

ガスクロマトグラフとグラフの見方

グラフ1

どちらの切り方にしても、ピークが多数見られます。
オレンジの●の部分は煮込んだ玉ねぎに多いとされる成分です。(時友裕紀子 日本食品科学工学会誌,42(12)、1003-1009(1995))
みじん切りにする=細かく切ることで、この成分が大量に煮汁に出ていることがわかります。
ひと口大の玉ねぎの煮汁とは味が異なることが想像できますね。 その他にも、小さいとはいえ一つ一つのピークは香りの成分を表しますので、微量ながらたくさんの成分が含まれ、これらの微量の成分がソースの風味に影響する様子がうかがえます。

次に、炒め方による味の違いを見てみましょう。

具材とカレーライスの味な関係 玉ねぎ編(2)へ続く