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5.ハーブティー、ハーブビネガー、ハーブオイルの香りの違いとは?

いかがでしたか?
刻んだ生のハーブ、ハーブティー、ハーブオイル、ハーブビネガーの香りの成分をガスクロマトグラフで見てみると、それぞれ異なる結果がでました。

なぜでしょう?

香りの成分は揮発性、芳香性の化合物で、数百種類以上あるといわれています。
揮発性のために香りを感じやすく、この香りが料理を様々に演出してくれるのです。

また、香りの成分の多くは油には溶けやすく水には溶けにくい性質があります。
そのため、香りの成分は水の中では香り立ちがよく、油の中では香り立ちが弱くなるのです。
また、香りの成分はひとつひとつ個性をもっていますが、それらのバランスで全体の香りを作っています。
ひとつの絵を近くで見るのと遠くで見るのとで、感じ方が違うのと似ていますね。
これが、香りの成分の特徴です。

あらためて刻んだ生のハーブ、ハーブティー、ハーブオイル、ハーブビネガーの香りの成分の結果について見てみましょう。

刻んだ生ハーブ:「刻む」ということは、香りの成分を貯蔵している部分が破壊されてたくさんの香りが飛び出してくることを意味します。図1でご覧いただいた通り、たくさんの香りの成分が全て飛び出し、さらに複雑に混じりあった香りを、私たちは感じているのです。
ハーブティーの場合:香りの成分は揮発性で、水に溶けにくいため、お湯の中ではより香りがきわだって感じられるわけです。
ハーブビネガーの場合:ハーブティーの湯をビネガーに置き換えたと考えられます。まず、強く感じるのはビネガーの香り。ビネガーに溶けだした香りの成分は、ビネガーがもともともつ香り成分とあわさり独特の清涼感がある香りを感じることができます。
ハーブオイルの場合:香りの成分は油に溶けやすい性質をもつため、お湯やビネガーの場合と比べて多くの香りの成分がオイルに溶け込みます。そのため、ハーブティーやビネガーの場合とは別の香りを感じることになります。オリーブオイルに多くの香りの成分が溶け込んでいますので、できあがったハーブオイルで調理した料理を食べるとオイルからローズマリーの風味をじわりと感じることができます。

ローズマリーの香り成分→お湯(水)/オリーブオイル(油) オリーブオイルの香り、ワインビネガー(酢) 酢の香り→香りの立ち方が変化する

6.ハーブの香りを楽しむ料理いろいろ

いかがでしたでしょう?
香りのもとは同じでも、お湯、オイル、ビネガーなど、香りの取り出し方が違えば、私たちが感じる香りが異なります。
それは、香りの成分の特徴により、現れ方が異なることが理由です。
私たちが、料理のたびに、何気なく感じていたハーブの香りの正体です。

美味しさに理屈はいらないのですが、美味しさの裏側でハーブの葉、いっしょに料理する素材との間で、様々な現象が起きています。その結果、それぞれに独特の風味が生まれています。

料理は、スパイスやハーブの様々な香りを引き出すマジックと言いかえてもいいでしょう。
工夫しだいで、いろいろなおいしい香りを楽しめます。

ハーブバター ハーブオイル&ビネガー
作り方はこちら 作り方はこちら
ミニトマトのマリネ ローズマリーグリーンティー
作り方はこちら 作り方はこちら

このほかにも、スパイス&ハーブの使い方のコツや世界の食文化など、スパイス&ハーブに関する様々な情報を「スパイス&ハーブ総合研究所」で詳しく紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

スパイス&ハーブ総合研究所
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