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ハーブの香りは料理で変わる?!〜「ハーブの香り」を“見て”みましょう〜

みなさんは普段、スパイスやハーブをどのように使いますか?
ステーキにこしょうを振りかけたり、鰻の蒲焼きに山椒を振りかけたりしますね。
また、ミントやレモングラスの葉をちぎってハーブティーにしたり、
パスタにバジルやオレガノを散らしたりされているかもしれません。
穏やかな甘さが香るレモンバーム、スーッとした青みがかった清涼感のあるミント、
日本のしそに甘みを加えたようなバジルの香りなど、それぞれのスパイスやハーブは、
特徴のある香りをもっています。
今回は、ローズマリーの香りを見てみましょう。
ローズマリーは、バジルやミントと同じシソ科の代表的なハーブです。
さわやかな香りをもっています。

1.ローズマリーの葉を刻んでみましょう

まず、ローズマリーを刻んでみましょう。
特徴のある香りがしてきましたでしょう?
このローズマリーの香りを"見て"みましょう。

香りを"見る"(分析する)ために、「ガスクロマトグラフ」という装置を用います。これは、気体になりやすい成分を分析する装置ですが、香りの強い成分だけを選んで分析するのではありません。
香りの強いものから極めて弱いものまで、気体になりやすい成分であればすべて分析します。

グラフ1をご覧ください。
生のハーブを刻んだ場合の、ガスクロマトグラフによる分析結果です。ひとつひとつのピーク(山)が、それぞれ香りの成分を表します。いかがですか?多くの香りの成分が含まれていることがわかりますね。こんなに複雑に香りの成分が混じりあって、ローズマリー特有の香りを作っているのです。

図1は、グラフ1のたくさんの香りの中から、主な香りの量を比較したものです。
甘い香り、爽快な清涼感、ちょっと重厚な清涼感などを見ることができます。

グラフ1図1 ローズマリーの主な香りの成分の比較<刻んだとき>(刻んだときの「シネオール」のピーク面積を100とした場合)

ガスクロマトグラフとは?:気体になりやすい化合物の種類や量を調べるのによく使われる装置の一つです。ガスと一緒に装置の中へ流れたサンプルは、キャピラリーカラムと呼ばれる細い管で分離されて出てきます。化合物によってカラムから出てくる時間が違うため、その時間(保持時間)から化合物の種類がわかります。
グラフの見方:キャピラリーカラム(細い管)から出てきた香りの成分は検出器で測定されて、グラフのような「ピーク」(山)として描かれます。横軸は保持時間で、一つのピークが一つの香りの成分を表しています。化合物の量はそのピークの面積から計算することができます。また、このグラフのピーク(山)は、分析条件が等しい限り、物質によって固有の値で表現されるためそのピーク(山)がどういう成分なのかを知ることができます。

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